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松岡徹のバルセロナ日記 17


2005.2/28


2005年2月14日
朝7時半起床。前日打ち合わせに来ていたドライバーが既に待っていた。今日から約一週間、彼のガイドで南モロッコの旅が始まる。挨拶もそこそこに、彼のランドローパーに全員乗り込む。マラケシュの街を抜けると、目前に白く雪化粧したアトラス山脈が迫ってくる。モロッコを肥沃な大地と砂漠地帯を分けるように4000m級の高い山々が連なっている。はじめのうちは並木道もあって畑や果樹園に緑がまぶしいが、山道に入りだしたとたんに厳しい風景に一変する。山に岩がゴロゴロし始める。しだいに山を登り始めたせいか寒くなり、緑も少しづつ減ってゆく。一山超えると緑はまばらに生えるだけで、岩だけの山並みに変わっている。
 
途中の村に立ち寄ったりしながらアトラスを越えて行く。ふと目の前に要塞のような古い村が現れる。アイト・ベン・ハッドゥ。クサルと言われる古い日干しレンガ作りの村だ。聞けば、「アラビアのロレンス」をはじめ、多くの映画の撮影場所としても利用されているそうだ。どうりで観光客も多い。さっきまで行き交う車さえなかったのに。上まで登りきるとちょうど日の沈む時間。日干しレンガがさらに夕日で赤く染まる。しばし沈黙。今日の宿泊予定地、ワルザザードにたどり着く。ホテルで夕食。腹一杯にクスクスを食べる。中身の濃い1日がようやく終わる。
 
2005年2月15日
朝8時起床。ワルザザード、砂漠へ向かう人々にとってこの町はだサハラ砂漠への入り口の町だそうだ。今日からカスバ街道と言われる東に走る街道を行く。 途中、オアシスの村々に立ち寄りながら、乾いた大地をひたすら進む。いくつもの村を通り過ぎた後、道をはずれて草も木もいっさい生えていない荒野を走る。土の色と空の色しかない。荒野の真ん中で車が止まり、降りてみると隠れるようにして人の住処がある。そこに子供たちとヤギがいた。ドライバー (以後モハメッド) の知り合いらしい。この荒野でヤギたちと暮らしていることに驚く。同時に子供たちの目の美しさに震える。車が遠ざかって行く間、彼女たちはずっと手を振って見送っている。僕は後部座席からそれを眺めていた。とんでもなく遠い場所に自分が来た事を実感する。彼女たちの目に、僕はいったいどんな風に映っているのか。
 
オアシスの町ティネリールを越えてトドラ峡谷に到着。今日のホテルはここにある。既に日は落ち暗いが自分たちが岩で囲まれた谷底にいる事に気づく。空がせまい。ロッククライマーの聖地の一つらしく宿泊客は山男風の人が多い。いつか岩が崩れてくるんじゃないかと不安を持ちつつ就寝。
 
写真
1 アイト・ベン・ハッドゥ。今はもう5家族しか暮らしていないらしい。
2 道なき道の途中で。周りには何もない。
3、4 荒野に住む子供たち。少し離れたらそこに家があるとは気がつかない。
5 トドラ峡谷のホテル。ホテルが小さく見える。

 

 
 
 
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