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 週刊 モグラ屋通信 第18号 2000.3/28  


内藤です。ごそごそと仕事をしたり、出張をしたりして伸ばしに伸ばしていた更新ですが、怠け癖がつきそうなのでそろそろ復活することにしました。が、1ヶ月も更新していなかったので、その間のアートなできごとを全部書き出すエナジーが……ありません。おまけに、ギャラリーネットワークの更新も遅れてしまって気ばかり焦る。というわけで、書いておかねばならない心に残った展覧会として、3月31日まで白土舎で開催中の オノサトトシノブ初期水彩展 が素晴らしいです。未見の方は是非。オノサトトシノブ感がかなり激変いたしました。版画の千倍くらいいいかも……。


他には、5月7日まで開催される 豊田市美術館 での 『空き地』 展のオープニングが記憶に残っています。たくさんの作家や美術関係者の方々にお会いできました。特に印象的だったのがあの 『ハンガリー国へハンガリ(半刈)で行く』 の、 榎忠 によるオープニング・パフォーマンス! な〜んと、美術館のエントランスで本物の大砲をぶちかましてくださったんだもの。もちろん、空砲ではありましたが。鼓膜が破れたかと思いました。一生忘れられそうもない思い出になりそうです。二次会会場で目の前を通りすぎようとしていた 本物のエノチュウさん に「すごくびっくりしました。あの爆弾」と思わず声をかけて「爆弾じゃなくて大砲ね」と訂正されてしまったりしたのもいい思い出かも。


その大砲がぶちかまされたオープニング・セレモニー会場で、なぜか俳優の奥田瑛二を目撃。しかし、存在感の強いアーティストの方々が大勢いらしたので、思いのほかに地味な印象で、気がつかなかった人が多かったみたいです。直後に見たのがエノチュウさんだったし……。話は少し脱線しますが、テレビや映画に出演されている俳優の人を現実の場面で見ると「この人どっかで会ったことあるけど誰だったっけ?」という風に考えたりすることはありませんか? 本当は「どっかで会った」のではなく「どこかで見た」のだけれど、それが案外わからなかったりするのは、単に私が鈍いからでしょうか? 以前、とあるオープニングで私の目の前にやはり「どこかで会ったことのある女性」がいたので、でもそれが誰だったかはっきり思い出せず「う〜ん、誰だったっけ? 確かどこかの美術館の学芸員だったよね?」などとぼんやり考えながら、なんとなく会釈をしたりしたのでした。その後、その「どこかの美術館の学芸員だと思われた女性」が女優の金沢碧だとわかり、あはははは。でも、彼女って学芸員と言えばそう見えないでもないタイプだと思いませんか? 私だけでしょうか、すみません。


また、展覧会会場では作家の イチハラヒロコの恋みくじ も引いてみました。私の引いたおみくじは 『ひとの話を聞かんかい』 というもの。これ、画廊時代によく元ボスに言われていたセリフだったような気がする……。他の人達のおみくじの結果をいろいろ聞きましたが、一番インパクトがあったのは 『甘い汁は俺が吸う』 ってやつ。他にも 『愛は速攻』 、 『さよならはいつも急』など、なぜだか引いた人が身につまされたり、まわりの人間が妙に納得させられたりする御言葉ばかり。展覧会のチケットで誰でも1枚引けますので、ぜひお試しください。


個人的に展覧会で特に印象に残った作品は、会期中に3回しか上映されない 小川信治 のビデオ作品 『CHAIN WORLD』 です。写真とCGアニメーションを併用した実験映像は、最近特に作家の平面作品で展開されている小川ワールドがそのまま映像に現れていて、いつもながらにこの作家の表現に対する一貫性を感じさせます。緻密ながら、どこかユーモラスでもある作家の世界観に、観る者はあたらしい視点を獲得できるのではないでしょうか? 残りの上映日は4月15日と5月6日のみ。どちらも土曜日の午後3時から豊田市美術館の講堂にて上映されます。オススメです。


今回の更新はさぼっていたリハビリということで、こんなところで失礼します。次回からは水曜日の定期更新を再開。とりあえず、オフィス マッチング・モウルがカタログ編集のサポートをした 2000 名古屋コンテンポラリーアートフェアー の参加画廊と出品作家をリストアップしましたのでどうぞご覧ください。今世紀最後 (だからなんだ? という感じもしますが) のNCAFに、多数のお運びお待ちしています。やっぱり 毎年4月は名古屋で現代美術だがね



     
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