三河・佐久島アートプラン21
佐久島体験2007 祭りとアートに出会う島
 
  
平田五郎展
『佐久島空家計画5/大葉邸』
写真リポート

 

 
 
 

 
【関連情報】
 平田五郎展 『佐久島空家計画5/大葉邸』
 平田五郎 アーティスト・イン・レジデンス 2007
 『佐久島空家計画5/大葉邸』 制作リポート1
 『佐久島空家計画5/大葉邸』 制作リポート2
 『佐久島空家計画5/大葉邸』 制作リポート3

 
【同時期開催】
 佐久島アート・ピクニック 2007

平田五郎展
佐久島空家計画5/大葉邸
2007年9月8日(土)
      〜12月2日(日)
会場:西地区 大葉邸
 
アーティスト・イン・レジデンス
総日数:20日
制作ボランティア:のべ 111名

 
 
 
大葉邸、6年越しのチャレンジ
 
佐久島西地区に50年間住む人もなく、島民の多くが忘れかけていた名もなき空家がありました。築100年のその古民家を作品の舞台とするべく、平田五郎がその場所をはじめて訪れたのは、2001年の夏。それから6年が過ぎ、滞在制作とその成果発表である展覧会が5度に渡って開催されています。
 
名もないその空家には、かつての住人にちなんで「大葉邸」という名が与えられ、いつ間にか誰もがその名で呼ぶようになりました。大葉邸は、佐久島という地域にふさわしく、長い時間とたくさんの人たちの手によって、徐々にその姿を変えています。性急なのも派手なのも、佐久島には似合いません。時にはもどかしいと思える地味で地道な手法を経て、大葉邸は確実に佐久島に根付いています。
 
 
過去の時間を追体験する
 
大葉邸が島に根付いていった理由は、もちろんゆっくり時間をかけただけではありません。制作者である平田五郎が、舞台として、素材として佐久島の中でさえ埋もれていた大葉邸を再発見したその時から、大葉邸の再生は始まりました。アーティストの視点こそが、すべてのはじまりなのです。
 
空家を作品化するのに当たり、平田五郎は佐久島に存在しない、あるいは、かつて使われることのなかった異物を持ち込まず、制作を進めました。ですから、大葉邸を訪れた人が無造作な視点でそこに立った時、ともするとそれが作品であることに気付かないこともあるほどです。けれど、その控え目で静かな表現は、そこに佇み、集中することで、思いのほか強く私たちにその存在を気付かせてくれます。100年前に造られたその民家あちらこちらで、そんな作品たちに出会うことができます。
 
昨年夏、1ヶ月間のアーティスト・イン・レジデンスで、大葉邸に、さらなる作品が加わりました。ひとつは、玄関を入った土間。ここをすべて昔ながらの手作業で打ち直し、以前は木製だった上り段も土を打ち固めて新しく作り直されました。さらに、建造当時から使われてきた作り付けの水屋戸棚が素晴らしい作品としてよみがえりました。
 
戸棚の引き戸を開けたり、引き出しを引いたりすると、その中にかつて大葉邸に住んだ人たちが実際に使っていた食器が並んでいます。その中に、平田五郎の作品がこれもひそやかに、美しく置かれています。いくつもの扉を開けて歴史と現代を発見する楽しさは、大葉邸全体の楽しさでもあります。大葉邸を訪れる時は、宝探しをする気持ちでお越しください。
 
(文責:オフィス・マッチング・モウル 内藤美和)
 
※大葉邸は展覧会終了後も引き続き常設作品として見学できます
 2007年度全記録
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■主催: 幡豆郡一色町
■共催: 一色町大字佐久島・島を美しくつくる会
■企画・制作: 有限会社オフィス・マッチング・モウル


本格的に打ち直された土間。美しい
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