三河・佐久島アートプラン21
佐久島体験2010 祭りとアートに出会う島
 
 
佐久島弘法プロジェクト2
『小川次郎×長岡勉』 写真リポート1
小川次郎 『コウボウノコシカケ』
 
 佐久島・西地区の白浜海岸の南側堤防を歩いていくと謎の物体に遭遇
 丘側に回り込むとそれは弘法大師の祠なのであった。お賽銭もいっぱい
  あらゆる角度から眺めてみる。ひとつとして同じ表情はない。生きているよう
 弘法大師座像がコンクリート製の洞窟に柔らかく繭にくるまれるように鎮座
 全景。祠は西の海に向いており、日没時には素晴らしい夕陽を眺められる
 
 

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【関連情報】
 佐久島弘法プロジェクト2 『小川次郎×長岡勉』 開催のお知らせ
 『小川次郎×長岡勉』 長岡勉作品・写真リポート2
 『小川次郎×長岡勉』 現地見学会・写真リポート

 
【同時期開催】
 佐久島弘法巡りスタンプラリー2011
 佐久島アート・ピクニック 2010
 佐久島の雛まつり展
■ 現地制作日数/5日間
2月20〜23日、3月7日
■ 作業場所 :
  西地区・白浜海岸南側
■ のべ制作参加者数 : 37名
■ 設計 : 小川次郎
■ 協力 : 
  日本工業大学小川研究室

 
 
場所
 
佐久島の西渡船場から徒歩約10分。常設展示作品も近くにないため、これまで訪れる人も少なかった白浜海岸南側の堤防沿いに小川次郎によって新しい祠が建てられた。この場所は西風の強い冬の間は堤防を越えて波がたたきつけるような、観光客にはある意味「難所」である。
 
祠を制作するに当たって訪れた小川次郎は、あえてこの場所を選んだ。荒天でなければ、そこは、うねうねと続く堤防沿いに松並木が続く景観が魅力的であり、また西側にあるため、向いの知多半島に沈む夕陽を眺めるのにもってこいの良い場所でもある。それに、多少の難儀をしてこその弘法巡りと言えようか。
 

かたち
 
小川次郎による弘法さんの祠は、「巻き貝」を思わせるフォルムと「牡蠣」のような積層した表面を持つ有機的なデザインになった。材料であるセメントに顔料を入れて彩色してあることも、余計にそのイメージを際だたせる。
 
陶器製の弘法大師座像は、強い風や打ち寄せる波から守るために、海に背を向けた丘側に洞窟のようなこれも柔らかい丸みを帯びた穴の中に鎮座している。その穴の前には、さらに雨風を避けるためアクリル板がはめ込まれており、穴の上部の灯り取りが採光の役割を果たしている。
 
祠の周囲には、目の前の海から拾い集めた平らな石が敷き詰められていて、結界のようにここが特別な場所だと暗示するようにも見える。訪れた人は、どの角度から見ても異なる形を楽しむことができるだろう。
 

同行二人
 
祠のタイトル『コウボウノコシカケ』からもわかるように、この祠の海に面した部分は、椅子のように腰掛けることができる。弘法さんに寄りそいながら、海を、夕陽を静かに眺めるのに最適な場所にふさわしい仕掛けだ。
 
四国八十八箇所の霊場めぐりのお遍路さんたちにはいつでも弘法大師が共に歩いていてくれる、という思いを「同行二人」という言葉で表す。四国の写し霊場である佐久島弘法巡りのひととき、この場所で少しゆるりと過ごして欲しい。弘法さんといっしょに。
 
(文責:オフィス・マッチング・モウル 内藤美和)
 
 
本展終了後は常設作品となります。佐久島東西渡船場と弁天サロンで無料配布している佐久島弘法巡りスタンプラリー2011の地図に設置場所が掲載されておりますのでご参照ください。海が荒れている時は波がかかりますのでご注意ください。 
 2010年度 年間スケジュール
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■主催: 幡豆郡一色町
■共催: 一色町大字佐久島・島を美しくつくる会
■企画・制作: 有限会社オフィス・マッチング・モウル

西側からみるとこんな感じです。腰掛けることもできる。夕陽を眺めたり。
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