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松岡徹のバルセロナ日記 06


2004.11/14


一時帰国からバルセロナに戻ってはや10日ほどたちました。
 
このメールも、前回の日記が帰国前でしたのでひと月ぶりくらいになります。こちらも地中海気候だなんだと自慢してますが、ちゃんと冬になって来ています。バルセロナはすぐ北にピレネー山脈なんていう大きな雪山があって、最近雪がじゃんじゃん降っているらしく街まで寒くなっているそうです。空の青色も、すこし水を加えたみたいに薄くなってきました。先日は、市場でキノコを買って食べました。なんとSITAKE (しいたけ!) も売っていたので試しに食べてみたら、僕の母親の実家 (愛知県北設楽郡) でもらって食べる椎茸には遠く及ばないものの、意外に同じ味。しょうゆを持って来ていてよかった。あと、以前自転車で行ったアルブシアスの山で、友人が栗をたくさん拾って来てくれたのでそれを焼いてたくさん食べました。これはすごくおいしかった。
 
こうして戻って来てしまうと、まるで日本にいた事が嘘のようにバルセロナのリズムにはまっています。9月からずっとなんだけど、相変わらずビザや大学入学の いろんな手続きがバタバタしており、いつになったら終わるのか。このまま来年帰国するまでかかるんじゃないかと……。実際ににそういう人がいたりするから冗談ではないのです。とにかく並ぶ、そして待ち続ける。そしてまた並び待ち、また並ぶ。一回で済みそうな話でも、4回も5回も足を運ばなくてはならない。今日も大学で、何ヶ月も前に提出した書類に不備があったと今更言われてしまいました。はじめのうちはその度に汗かいて走り回っていましたが、もう最近は笑うしかない。ああ、またですねって感じです。
 
ビザの方も日本でビザを申請し、パスポートにハンコを押してもらってそれで終わりかと思ったら、こっちに来てからも、警察や教育文化スポーツ省なんてところなどに何度も行かなくては行けないし、その度に長い行列に並ばらなくちゃいけないのです。いつも1日がかり、とにかく気が長くないとやっていられません。でも不思議に思うのはこちらの人っていわゆるラテンだし感情豊かというか直情型でせっかちだったり気の短い人が多いような気がするのに、なんでこのシステムをもっと簡単にしようとしないのだろう。
 
はやく作品の事だけ考えていたいし制作に集中したいのに、きっと日本人なら……と思わず考えてしまう。でもよく考えるとこのへんの融通のきかない感じというか変わらなさ加減が、この国の魅力につながっているのではないか。いいところと悪いところってつながっている気がするし、簡単便利が大好きな日本人とはだいぶ違うのではないかと思うのです。こんなことを感じたりする事も楽しいかなって思うし (おもわないとね) 、快適便利がいいなら日本にいるのが一番だし。強制帰国や強制退学をちょこっとだけ心配しながらも、日々淡々と残った手続きをこなすだけです。はぁ。
 
戻って早々「そりゃないだろ〜〜」みたいな状況が続き、日記の内容が愚痴になってしまったので、次回の日記はのんきに明るくいきたいです。ともかく、なにかと大変でおいしいバルセロナのまつおかでした。
 

 
 
 
 フランクフルト空港。日本への帰り道、
 飛行機の乗り換え。
 
 バルセロナ大学。戦いはつづくのだ
 
 ときどき昼ご飯を食べるレストラン(Bar
 かな)おいしい。バルセロナ現代美術
 館近く。
 
 ミロの彫刻。スペイン広場の近く、ミロ
 公園にどかんと立っている。どうも気に
 なっているのですが、この国の建築や
 彫刻には男性シンボル的なものが多
 い。これにはこの国の社会が持つ男
 性主義的な意味があるのかもしれな
 い。ほんとに多いんです。調べてみま
 す。

 

 
 
    

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