三河・佐久島アートプラン21 佐久島体験2001 祭りとアートに出会う島 小川信治展
『PERFECT SAKU ISLAND』 のための 島びと交流会・リポート |
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2001年10月6日(土) 15:30〜17:00 会場/弁天サロン 寄り合いの間 アーティストと島びとの出会いの場を 三河・佐久島アートプラン21は、島の祭りに連動したさまざまなイベント(音楽やアートのワークショップやアート・イベント)と、展覧会の2本立てで構成されます。今年度は4回の展覧会が開催されますが、夏の弁天祭りの時期に開催された『弁天奉納三人展』は、3人のアーティストによるグループ展でした。この3人が、平成13年度、佐久島での個展をおこなう予定でした。 企画側から、アーティストへ与えられた課題は「佐久島でなければできない展覧会であること」、そして「展覧会によって、アート(アーティスト)が地域社会(島の人たち)との交流を持てるような内容であること」です。それに応えた最初の個展が、小川信治展です。 展覧会のタイトルは『PERFECT SAKU ISLAND(パーフェクト・サクアイランド)』 。7月21日に、展覧会のための ワークショップ『みんなでお話する会』 が開催され、それによって制作された作品が弁天サロン内のギャラリーに並びました。「島びと交流会」とは、この展覧会のオープニング・パーティーのことです。 パーフェクト・サクアイランド 「島びと交流会」には、ワークショップに参加し、佐久島の風景を写真に撮ってくれた島民がたくさん集まってくれました。「一体、自分たちが写した写真がどんな作品になっているのか?」。出品された作品は25点。そのひとつひとつを見ながら、島民の顔には驚きや笑顔が溢れていました。ギャラリーの入り口には、誰がどの写真を撮影したのかわかるように、小川信治によって撮影者のポートレートと撮影された写真を元に描かれたペン画が一覧表にまとめられて用意され、作品への理解を深める助けをしました。 「PERFECT SAKU ISLAND」は、完成した。島民とアーティストによるコラボレーション作品。精密で、あたたかい小川作品に、展覧会を訪れた人たちは、今までになかった感銘を受けたようです。特に、ワークショップの参加者たちは、自分の撮影した佐久島の風景が、アーティストの手によって大きく世界を広げたことに驚いていました。それらの作品は島民の協力なしでは、決して生まれることはありません。その感謝とよろこびを込めた、アーティストから島民に宛てたメッセージは、「小川信治から佐久島への手紙」と題して、会期中展覧会会場で配布されました。、佐久島の人たちが受け取ったアーティストからのメッセージは、このレポートの最後に載せてあります。 交流会では作品の制作過程を作品化したビデオ「PERFECT SAKU ISLAND」が公開され、映画のような趣きのある映像に、交流会の参加者から感動したということばをたくさん聞きました。このビデオ作品「PERFECT SAKU ISLAND」は、展覧会終了後も、弁天サロンにてご覧いただくことができます。鑑賞ご希望の方は、弁天サロンの係りの者までお知らせください。 |
絵の中に自分の姿を見つけて照れまくるおばあちゃん。仲間達に大ウケ 作品を見る人達の顔に笑顔が溢れる 作品について積極的な質問が飛ぶ 誰がどの作品の元写真を撮ったのかが人目でわかるシートを、小川信治はこの日のために用意していた 作品資料におばあちゃんたちは興味津々 |
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小川信治から佐久島への手紙 パーフェクト・サクアイランド 佐久島。とても美しいその島に出会えてほんとによかったです。そして島の方々の御協力を得て作品「パーフェクト サク アイランド」は完成しました。作品は25枚の彩色ペン画と映像から成ります。 私は作品を作る時いつも思う事は、作品を仲立ちにして人と人、地域と世界がコミニュケーションできればすばらしいな、ということです。ですから、今回佐久島での展覧会が決まったとき、佐久島と世界とを私なりのやり方でつないでみたい、と思いました。それは言葉によるメッセージでなく、こんなふうにして作品を作り上げる事ができるのだ、という見本のようなものをかたちにすることです。作品の制作は以下のように行われました。 1. 小川と島の人々とで島の「名所」をリストアップしてゆく。 2. 島の人々が佐久島の風景などを撮影する。 3. 現像された写真の中からひとり一枚づつ彩色ペン画の モデルを選んでいく。 4. 選ばれた写真をもとに彩色ペン画を制作する。 5. ペン画ともとにした写真を使って、映像作品を作る。 6. 佐久島での展示することでコミニュケーションが始まる。 このなかで、一番楽しみなのが1と6です。そういった意味でも初めと終わりに交流会を組んでいただいた事は本当に重要な事でした。これがなければ作品は完成したとは言えなかったでしょう。 さて、写真が届いた時はドキドキしながら一枚一枚「この写真を撮ってくれた人はどんなことを考えながらシャッターをきったんだろう」などと思いながら見てゆきました。すごい!と叫んでしまった写真、思わず吹き出してしまった写真、うーむなるほど、と納得させられた写真。 600枚以上の写真の中から25枚を選びだす作業は思いのほか長くかかりました。それは写真から撮影してくれたひとの気持ちがとてもよく伝わってきてしまったためにそれをそのまま受け入れたもの、「そう来たならこんなのはどうでしょう」と駆け引きを楽しんだもの、あえて裏切らせてもらったものなどいろんな気持ちで25枚を選ばねばならなかったからです。 彩色ペン画は最初は色をつけるつもりではなかったのですが、写真をながめていて、ぜひ色は必要だと感じたために急きょ、彩色することにしました。そのために作品の制作のスケジュールが大幅に遅れ、映像を作ってくれたスタッフ(林氏)には大変迷惑をかけてしまいました。彼は何日も徹夜して10月3日に見事仕上げてくれました。 作品は会期が終わってもいろんなところでいろんな人々に見てもらうつもりでいます。 そういった事をくり返す事によって、島のことやコミニュケーションすることの楽し さを広めていければ、と考えています。 2001年10月 小川信治 |
展覧会会場には作品鑑賞の手引きが用意される。今回は、そこに小川信治からのメッセージが載せられた 「島びと交流会」、乾杯の音頭は島を美しくつくる会の三宅さん ビデオ作品は笑いと感動を呼んだ ペン画の題材になった写真に熱心に見入る島民 島の写真を手に話題がはずむ交流会の出席者たち |
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【関連情報】 ● 小川信治展『PERFECT SAKU ISLAND』へ ● 小川信治ワークショップ「みんなでお話する会」リポート ● 同時期開催 太鼓祭り |
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■ 2001年度全記録へ ■ TO HOME ■主催: 幡豆郡一色町 ■共催: 一色町大字佐久島・島を美しくつくる会 ■企画・制作: 有限会社オフィス・マッチング・モウル |
交流会参加者の質問に丁寧に答えるアーティスト小川信治 |
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