三河・佐久島アートプラン21 佐久島体験2002 祭りとアートに出会う島 『七福2002 展』 島びと交流会 スペシャル・イベント
アーティスト対抗・激突料理バトル リポート
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7月6日(土) 15:00〜17:00 会場/佐久島弁天サロン 寄り合いの間 「島びと交流会」とは、三河・佐久島アートプラン21で開催される展覧会のオープニング・パーティーのことです。今回の「七福2002展 島びと交流会」では、スペシャル・イベントとして、参加作家の中川佳宣と松蔭浩之によって「アーティスト対抗・激突料理バトル」が開催されました。残念ながら、美味しい料理の数々をお召し上がりいただけなかった方に、リポートをお届けします。レシピもあるので、参考にしてみてね。 弁天サロンの厨房が呼び覚ます料理人魂 「なぜ、展覧会のオープニングで、アーティスト対抗料理バトルなのか?」 深く考えてはいけない。そこに素晴らしい厨房があるから、そこに素晴らしい食材があるから、彼らは料理をつくるのである。対決の日をさかのぼる6月某日、『七福2002展』への出品作品制作のために佐久島を訪れたアーティスト松蔭浩之は、ギャラリーのある弁天サロンの厨房を見て、その料理人魂を呼び覚まされた。「島の食材を使って、島の人たちに食べたことのないような料理を食べてもらいたいな」。そのひとことからすべては始まった。 それから5分で、他のアーティストも参加してもらうこと、そのアーティストは中川佳宣を置いて他はないということ、中川佳宣ならば相手に不足はないことなどが決定、確認されて、闘いの火蓋は(中川佳宣の知らないところで)切って落とされたのである。 人にスタイルあり 7月6日決戦当日。前日から展示作業のために佐久島入りしていた中川は、午前中から燃えていた。とにかく、学生時代にアルバイトをしていたイタリア料理のレストランのシェフ(イタリア人)にもらったという白衣に黒い長めのエプロン、赤いバンダナまでして完全な料理人姿になっている。やる気満々、気迫が伝わってくる。対する松蔭は、前日徹夜の仕事を東京で済ませて、一睡もしないまま佐久島を目指す。この時点でかなり不利かも? その上、予定していた9時15分の船に乗り遅れ、次の11時15分まで喫茶店もない渡船場周辺で虚しく過ごすはめに…。大丈夫なのか? 正午近くにようやく佐久島に辿り着いた松蔭は、中川と対照的に、なぜだか一色町渡船職員のユニフォームを借りてスタンバイ。これは、前回島を訪れた時、いたく気に入ったことに由来する。ポイントは「襟を立てて着ること」だそうで、こういうスタイルで料理対決に臨むのが松蔭流なのだ。ちなみに、料理人姿で挑む中川のスタイルに関しては「彼は、かたちから入るタイプだから」との批評。大阪芸大生として10代で出会って以来、お互いを知り尽くしている(?)ふたりのアーティストの料理バトルはこうして始まった。 スパニッシュかつイタリアンな松蔭メニュー スペイン風タコの刺身 スズキのアクアパッツァ 車海老とタコのパエリア ワールドワイドな中川メニュー&レシピ (レシピ制作:中川佳宣) ●タコのカルパッチョ、スペイン風 【材料】 生ダコ 1、パセリのみじん切り 大さじ1、トマトのみじん切り 大さじ2、ニンニクのみじん切り 小さじ2、オリーブオイル 30cc、岩塩 小さじ1、バルサミコ酢 小さじ2、パプリカ 少々、レモン 【つくり方】 1. 生ダコを塩でよく揉み、沸騰した湯で1分茹ですぐに冷水にとる。また沸騰した鍋に入れ1分間茹でる。これを合計10回ほど繰り返す。(松蔭君がスペインで覚えてきた方法です) 2. 皿にタコを薄切りにして並べ、岩塩を軽く振りオリーブオイルをまわしかける。 3. パセリ、トマト、ニンニクを散らせ、パプリカを振り、バルサミコを振りかけ、レモンを添える。 ●スズキのカルパッチョ、イタリア風 【材料】 刺身用スズキ 1、たまねぎのみじん切り 大さじ2、トマトのみじん切り 大さじ2、パセリのみじん切り 小さじ1、オリーブオイル 30cc、ケッパー 適量、岩塩 少々、ニンニク 1カケ、黒コショウ 適量、レモン 【つくり方】 1. ニンニク1カケを2等分したものを用意し、盛りつける皿にその切り口を擦り付けてさらにニンニクの香をつける。 2. スズキを薄作りにし皿に並べ、岩塩を振り掛け、オリーブオイルを回しかける。 3. たまねぎ、トマト、パセリを散らせ、コショウを振り、ケッパー、レモンで飾りつける。 ●タコとエビのパスタ、トマトソース 【材料】 タコ(ボイルしたもの) 300g、車海老 300g、ペンネ 600g、トマトソース 800cc、ニンニク 2カケ、鷹のツメ 2本、オリーブオイル 50cc、ブランデー 30cc 【つくり方】 1. 鷹のツメは種をとり、ニンニクは皮のついたまま包丁の側面で叩きつぶし、オリーブオイルを入れたフライパンに入れ弱火で香をオイルに移す。(4〜5分)鷹のツメを出し一口大に切ったタコと殻付きのエビを入れ強火で一気に炒める。ブランデーでフランベする。 2. たっぷりの湯でペンネをアルデンテに茹でる。 3. 鍋でトマトソース(レシピは別途)を温め、炒めたタコとエビを入れ一煮立ちさせる。茹であげたパスタをソースと和える。 ●キスのフリッター、ポルトガル風 【材料】 キス 30匹、小麦粉 200g、ペイキングパウダー 小さじ2、生クリーム 50cc、卵 1個、パセリのにジン切り 大さじ1、塩 小さじ1.5、コショウ 適量、炭酸水 100ccくらい、オリーブオイル 50cc、レモン(いつも目分量です。好みでアレンジして下さい) 【つくり方】 1. キスを開き、中骨をとってキッチンペーパーなどで水分をとって軽く塩、コショウしておく。 2. ボールに卵と生クリームを入れ、かき混ぜる。塩、コショウ、オリーブオイルを入れ小麦粉を振るい入れる。ベイキングパウダーも入れ、炭酸水れホットケーキの生地より随分トロトロしたくらいに溶き、パセリを入れる。(生クリーム、オリーブオイルを抜いて炭酸水のかわりにビールを入れてイワシなど揚げてもよい) 3. 180度のサラダ油でカリッと揚げる。レモンを添えて ●季節の果物のミルク寒天よせ、ナカガワ風 【材料】 キウイフルーツ 2個、モモの缶詰め 1缶、パイナップルの缶詰め 1缶、牛乳 400cc、水 150cc、生クリーム 50cc、砂糖 適量、バニラエッセンス 適量、ブランデー 50cc、寒天、レモン 【つくり方】 1. 果物は何でもかまいませんがナシやリンゴなどを使う場合は一度シロップで煮てから使います。缶詰めの汁は捨てずに鍋にとっておく。果物を一口大に切り、流し缶に彩りよく並べておく。 2. 牛乳、水を鍋にかけ砂糖大さじ3も入れて沸騰させないよう弱火で温め寒天パウダーを投入し煮溶かす。仕上げに火を止め、生クリーム、バニラエッセンスを2滴ほど入れてこしにかける。40度くらいまで温度を下げたら流し缶に注ぎ、冷やし固める。 3. 缶詰めの汁に水を足し、砂糖適量を入れて煮る。味見しよければブランデーを入れ一煮立ちさせる。レモンを絞り入れ冷やす。食べる30分前に一口大に切ったミルク寒天とあわせて冷やしておくと、なお美味しい。 ●トマトソース・アントニオ・スペシャル 【材料】 トマト(よく熟れた生のもの)15個、トマトのホール缶 8〜10缶、トマトケチャップ 300cc、白ワイン 1/3本、アサリ 300g、ニンニク 1個、タマネギ(大きいもの) 4個、美味しい塩 約60g、鷹のツメ 3本、ローリエ 5枚、乾燥バジリコ 大さじ2、乾燥オレガノ 大さじ1、ブーケガルニ、オリーブオイル 200cc 【つくり方】 1. タマネギ、ニンニクはみじん切りにし、トマトは皮を剥いてサイコロ大に切っておく。大鍋にオリーブオイルを入れ火をつける前にニンニクと鷹のツメを入れ、弱火で香を出す。十分出たら、タマネギを入れて15分ほどよく炒める。トマトとトマトのホール缶を入れてトマトケチャップも投入する。ローリエ、ブーケガルニも入れる。 2. アサリを白ワインで蒸し、スープを十分に出す。煮汁のみを漉して@に入れる。(これが隠し味!)1時間ほど煮込んだのち、オレガノ、バジリコを投入し、塩を半分だけ先に入れる。鷹のツメ、ローリエ、ブーケガルニを鍋から取り出す。30分ほど煮込んだのち味を見て、塩を足して行く(少し薄いかな?ぐらいがちょうどいいように思います) 3. 大量な量ですが、トマトがたくさんできたときに作って下さい。空き瓶を湯洗してトマトソースを詰めてもう一度、鍋で瓶ごと煮ますこと15分で3ヶ月は常温で保存の効きます瓶詰めとなります。このソース、パスタ以外にもパンに乗せてチーズをかけてトースターで焼きますとピザトーストに、魚や肉のグリルにかけても美味しいです。 ごちそうさまでした&反省点 料理バトルと名付けたが、まさに甲乙つけがたい高レベルな闘いだった。まったくもって素晴らしいの一語に尽きる。松蔭浩之のパエリアは絶品。また、中川佳宣のキスのフリッターは、大好評だった。どちらも、佐久島で採れた新鮮素材を使いながら、佐久島では食べるチャンスのないメニュー。大満足の島びと交流会となった。 結果的には、初めてのこの試みは大好評かつ大成功だった。けれど、冷静に考えて、反省すべき点が3点あるので、今後のため、ここに記しておく。 1. 皆の食欲が旺盛で、味見のできなかった料理が数点。写真を撮る間もなく、平らげられてしまったこと。これは、嬉しい誤算というべきか。 2. 中川、松蔭ともに、旺盛なサービス精神は、凝った料理、増えるメニューとなって現れた。そのため、島びと交流会は時間延長戦に入ったが、残念ながら、最終便に乗るためにその料理を食べられずに島を離れた人が多かったこと。 3. 交流会は島外からの参加者の便宜を図るために、いつも土曜日の午後(休日でかつ、船の運行時間内)に開催しているが、ちょうどその時間は、島内の民宿の経営者たちがもっとも忙しい時間。島の食材を見直すいい機会だったにも関わらず、ある意味では一番参加してほしかった人たちがまったく出席できなかったのは、返す返すも残念。 しかし、アートを楽しみつつ、交流をも楽しむ場として、料理バトルはとても意味のある試みとなった。島の食材に別の光を当てるという新機軸も打ち出せた。この素晴らしいできごとを企画し、実行してくれた中川佳宣と松蔭浩之ふたりのアーティストに心からの感謝を込めて拍手! パチパチパチ。ごちそうさまでした。 【関連情報】 ● 『七福2002展』 ⇒ ● 同時期開催 『弘法巡り+アート・ピクニック』 ⇒ |
中川佳宣(左)と松蔭浩之(右) デザート制作中の中川。「あんた、ナニモノやねん?」と思わずツッコミたくなるコスチューム・プレイ 別の意味で「ナニモノやねん?」とツッコミたくなる松蔭浩之は、蛸料理中。立てている襟がミソなの。 ビールで乾杯、なごやかなひととき アーティストお手製の料理に大喜びの学生ボランティアたち 佐久島の美味しいタコは今が旬 もしかして、今回の一番人気だったかもしれない。島のおばあちゃんたちにも大好評でした |
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■ 2002年度全記録へ ■ TO HOME ■主催: 幡豆郡一色町 ■共催: 一色町大字佐久島・島を美しくつくる会 ■企画・制作: 有限会社オフィス・マッチング・モウル |
作品見てよし、料理食べてよし。一粒で二度美味しい、島びと交流会でした。 |
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