三河・佐久島アートプラン21
佐久島体験2003 祭りとアートに出会う島
 
学生ボランティアチーム“潮風”による
『月の茶会 2003』 写真リポート

 

 



 

 

 
 

 



 

 

学生ボランティアチーム“潮風”と「島を美しくつくる会」メンバー+α

 
 
 
 
【関連情報】
名月十五夜祭りと月の茶会 2003 ⇒
■ 開催日/2003年9月11日
        午後7時〜9時
■ 会場/弁天サロン前堤防
■ 来場者数/80名
学生ボランティアチーム“潮風”と「島を美しくつくる会」会長松本さん(写真上)。
 
学生ボランティアチーム“潮風”
尾野訓大、荒木由香里、南條由美子(名古屋芸術大学)、高木志瑞子(愛知県立芸術大学)、天野太一(名古屋造形芸術大学)、山口潤子(静岡芸術文化大学) 
 
 
 
 
堤防がお茶席に姿を変える
 
中秋の名月の夜、学生ボランティアチーム“潮風”は、島の西地区で行われる「名月十五夜祭り」に合わせて、手づくりの照明に囲まれた野外会場で、お茶菓子とお抹茶を味わいながら、お月見を楽しんでもらう「月の茶会」を開きました。
 
会場は、お月さまがよく見える弁天サロン前の堤防です。会場とその周辺に、芸術大学に通う“潮風”のメンバーたちが、島で4日間合宿して制作した、月や海をイメージした照明作品を配置しました。その数は約100個。水の上、堤防沿い、道の脇など、さまざまな場所へ置き、会場周辺は和紙とロウソクのやさしい光に包まれたのです。
 
お客さんには、堤防に用意したベンチに座ってお月見を楽しんでもらいました。浴衣姿の“潮風”のメンバーが、手作りのお茶菓子とお抹茶をそこに運んで、味わってもらうという趣向です。
 
 
お茶菓子もつくりました
 
メンバーで相談してデザインしたお茶菓子は、黄色のさつまいも餡をまんまるにして笑顔をかいた「ぽっかりお月様」、うさぎのかたちをした大福「月から遊びにきたうさぎ」、佐久島産のテングサに餡とフルーツを入れた「月凛々」の3種類。お客さんには、好きなものを1つ選んでもらいました。
 
帰りには「暗い夜道を気をつけて帰って下さい」という気持ちを込め、おみやげに手作りの提灯を渡しました。この提灯は、材料費節約のためにペットボトルや島で拾った貝、流木など無料で手に入るものと、和紙などを使用して作りましたが、メンバーのアイデアで、とても素敵な提灯が出来上がったと思います。
 
 
島民からの笑顔とことばに感激
 
当日は天候に恵まれ、それはそれは見事な満月でした。そのおかげもあって、大勢の人が会場に足を運んでくれたのです。なんと開始時刻の7時から、ベンチは満席。おじさん、おばさん、小学生、中学生、東地区の人も来てくれました。このにぎやかな状態は1時間以上続き、おみやげに用意した手づくり提灯は大人気で、すぐに無くなってしまいました。
 
たくさん作りすぎたと思っていたお茶菓子も、終わってみるとほとんどなくなっていました。予想外のお客さんの多さにメンバーは慌てふためいてしまったほどです。でも、お客さんたちは、それぞれのペースでお月見を楽しんでくれたようで、帰り際には「おいしかったよ!」「ありがとう!」と笑顔で声をかけてくれました。その言葉は、涙が出るくらい嬉しく、「やってよかった」と、じんわり達成感を感じました。
 
また、今回、お向かいの弁天サロンでは、コーヒーと音楽に詳しい島の方と一色町役場の方が、コーヒー・コーナーを開いて、一緒に盛り上げてくれました。そちらへ来たお客さんは「月の茶会」にも立ち寄ってくれ、「月の茶会」へ来たお客さんはコーヒー・コーナーにも行く、という相乗効果もありました。ちなみに、ここのコーヒーは本当においしかったです。
 
 
自分たちで何かをする、ということ
 
裏話ですが、このイベントは、開催の1ヶ月前まで全く行われる予定はありませんでした。実は、“潮風”は、8月に行われる予定だった「提灯行列」を盛り上げることを目的には結成されたチームだったからです。ところが「提灯行列」が中止になり、“潮風”のイベントもできなくなってしまいました。けれど、何かやりたい、という思いは“潮風”のメンバーから消えず、中止が決まった次の日から島で4日間の合宿をし、企画を一から考え直し、急遽、9月11日に「月の茶会」を開催することになったのです。
 
「月の茶会」は、企画から制作、実施まで全て、4校別々の芸術大学に通う学生ボランティア6人からなる“潮風”が行いました。けれど、本当に大勢の方々に支えられて実現したイベントでもありました。
 
全面的に支援をしてくださった「島を美しくする会」会長さんはじめ、他のメンバーのみなさん、当日ベンチを作ってくれた島の大工さん、テングサの調理方法を教えてくれた弁天サロンの管理人さん、浴衣を着付けてくれた島のおばさん、照明作品のアドバイスをしてくれたアーティストの松岡徹さん、機会をあたえてくれたオフィス・マッチング・モウルなどなど、みなさんの協力があってはじめて、多くの人に楽しんでもらえるイベントができたと思っています。
 
佐久島で「月の茶会」ができた2003年の夏は、“潮風”にとって、一生忘れられない素晴らしい夏になりました。
 
(文責: 静岡芸術文化大学4年 山口潤子)
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■主催: 幡豆郡一色町
■共催: 一色町大字佐久島・島を美しくつくる会
■企画・制作: 有限会社オフィス・マッチング・モウル

おみやげの提灯は、浜辺で拾ったさくら貝を飾る
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