三河・佐久島アートプラン21
佐久島体験2004 祭りとアートに出会う島
 
佐久島体験/ショート・ステイ2004 リポート
2004年3月21日〜24日
スケジュール&レポート

3月21日(日) 晴れ

 弁天サロン集合/参加登録/自己紹介(14:00〜)
集合時間の午後2時少し前。一色渡船場を午後1時30分に出る船に乗った参加者たちが、集合場所の弁天サロンへ続々と到着。全員が揃うと、まず初めに、ショートステイの開催趣旨や、現在島で進行中の「三河・佐久島アートプラン21」について簡単なレクチャーが行われ、その後、参加者に自己紹介をしてもらう。今回のプログラムの参加者は7名。男女比は半々で理想的なバランスとなった。また、愛知県以外に静岡県、遠くは兵庫県から来てくれた人もいて、出身地、年齢、職業がそれぞれ違うバラエティに富んだ顔ぶれとなった。
 
 大葉邸見学(14:40〜)
弁天サロンから歩いてすぐの場所にある、つい先月3年目の制作を終えたばかりの、空家をまるごと作品化した「大葉邸」を見に行く。参加者の中にはこの制作ボランティアをしてくれた大学生もいるが、ほとんどの人が初めて見たとのこと。「きれい」「作家とスタッフの強い思いを感じる」「ここに泊まってみたい」など、それぞれの観点から感想を口にしていた。参加者の一人は庭にある井戸に興味津々。島でしか体験できない井戸汲みの技術を習得したいと、「大葉邸」の制作で井戸汲みはお手のもののマッチングモウル内藤にやり方を真剣に教わっていた。
 
 フィールドワーク 西地区探検(15:00〜)
メンバーを2つのグループに分けて、西地区を自由散策してもらう。各自インスタントカメラを1つずつ渡し、フィールドワーク中に発見した「おもしろい場所、モノ、人、できごと」を撮影してもらった。参加者は西地区をあちこち歩きまわって、島独特のおもしろいものを発見し、さらには「ここにテントを張って芝居をやったら楽しそう」とか、「猫がいっぱいいるから『猫と遊べる島』にするのはどう?」など、想像を膨らませて楽しんでいた。夕方になると、日の入りに鐘をつくという風流な鐘の音を聞くため、弁天サロンのすぐ近くにある崇運寺へ移動した。間近で鐘の音を聞くつもりだったのだが、思いがけず特別につかせてもらうことができ、得した気分。その後、水仙や春の花が道の両側に咲く、島の東西を結ぶ通称「一号線」を30分ほどかけて歩き、東港近くの宿舎まで戻った。
 
 夕食(19:00〜)
夕食は島内の民宿から出前をとる。いろいろな魚のお刺身やフライ、岩のりの佃煮、ナマコの酢のものなど、佐久島の海の幸が存分に楽しめる食事だった。その後入浴、自由時間、就寝
 
 
3月22日(月) 雨
 漁師分科会指導による漁業体験(6:00〜)
今日は早朝から地引網漁の体験。佐久島の活性化を目指して活動を続ける「島を美しくつくる会」・漁師分科会メンバーで、民宿の主でもあり漁師でもある鈴木さんが船を出してくれた。参加者は2組に分かれ、鈴木さん、それに同行してくれた同じく漁師分科会メンバーである漁師の筒井さんに指導してもらいながら、昨夜から仕掛けられていた地引網をたぐった。天候は朝からあいにくの雨で、漁師さんはいつもより魚が採れないと言っていたが、それでもアイナメ、メバル、ナマコ、サザエ、ワカメなどが獲れ、一安心。漁の大変さと海の幸のありがたさを実感した。
 
 朝食(7:50〜)
 フィールドワーク東地区探検1(9:00〜)
昨日の「フィールドワーク西地区探検」と同じ要領で2グループに分かれて、今度は東地区の自由散策をしてもらった。東地区は、筒島や大島といった島や、秋葉山や富士山といった高い山、それに民宿や食堂、喫茶店もあり、西地区とはまた違う景観をもつ。参加者は「佐久島体験マップ」を頼りに海や山や人里を散策。
 
 三河湾有人三島クルージング(10:00〜)
今日は雨のため、予定していた潮干狩りや黒壁運動体験ができなくなってしまった。それはかわいそうだと言って、急遽「島を美しくつくる会」のメンバーである鈴木さんが、所有する観光船で三河湾クルージングへ連れて行ってくれることになった。三河湾には人が住んでいる島が、佐久島、篠島、日間賀島と3つある。その3つの島を、鈴木さんの解説付きで、ぐるりと一周。佐久島の地形や歴史など興味深いお話も聞くことができた。海からみる景色はきれいで、快適な船の旅だった。
 
 「三河・佐久島アートプラン21」レクチャー(11:30〜)
昼食まで少し時間ができたので、またもや急遽、マッチングモウル内藤による「三河・佐久島アートプラン21」についてのレクチャーを行う。今年で4年目となるこの計画について、これまでにどんなことをしてきたか、写真を交えて説明がされた。レクチャーへの参加は自由だったにも関わらず、メンバー全員が出席し、熱心に耳をかたむけていた。
 
 昼食(12:30〜)
島内の食堂で昼食。土鍋で酒蒸しした佐久島名物のあさりが、ひとり一つ用意され、とても贅沢で美味しかった。
 
 フィールドワーク東地区探検2(13:30〜)
午前中、急遽クルージングができることになって途中で切り上げた東地区のフィールドワークを再開。引き続き、「おもしろい場所、モノ、人、できごと」をカメラに収めながら散策する。
 
 島のおばあさんによる名物料理体験/夕食(16:00〜)
毎年好評で島のおばあさんに作ってもらっている名物料理「煮味噌」を、今回は作り方を教わりながら作った。土鍋に赤味噌を入れて煮込むというシンプルなもので、各家庭によって入れる具はさまざま。今回はあさりとこんにゃくの2種類ができあがった。この料理は島民にとってはあまりに簡単で、料理とも呼べないくらいの気軽なものであるため、とても美味しいのに民宿や食堂などのメニューにはない。まさに佐久島の家庭の味。今晩はそれに加えて、今朝の漁で採った魚やナマコも食卓にならんだ。ナマコからは珍味で知られるコノワタ、それにとても貴重だというコノコがとれ、みんなで少しずつ味わった。おいしいものがおなかいっぱい食べられ、また、おばあさんから島に関するおもしろい話が聞けて、みんな大満足の笑顔だった。その後入浴、自由時間、就寝
 
3月23日(火) 晴れ
 朝食(7:30〜8:00)
 ひと里分科会おすすめの
  「春の花巡り 椿ロード・ハイキング」
(9:00〜)
朝食後、佐久島の西地区北側にある白山社付近まで車で向かう。そこから先は車を降りてハイキング。佐久島は、海の遊びも楽しめるが、野山も楽しめる。島の北側を占める山には、東西をつなぐハイキング・コースが整備されていて、2月末頃から3月いっぱいは、ハイキング・コースがそのまま椿ロードとなる。この日、椿がちょうど見頃を迎えていて、木には満開の花が咲き誇り、さらには道に木から落ちた椿の花のじゅうたんができていて、見事だった。
 
 昼食(11:10〜)
天気がいいので、外でお弁当。春の陽気のなか、海を目の前にして食事するのは気持ちいい。
 
 潮干狩り(12:00〜)
佐久島と言えばあさり。大きくておいしいあさりとして有名だ。家族へのおみやげにしようと、数日前に解禁されたばかりの潮干狩りにはりきって挑戦。しかし、経験者がほとんどいない参加者集団は、コツが分からず、5キロ分のアサリが入る袋がなかなかいっぱいにならない。潮も満ちかけてきた頃、他の潮干狩り客に教えてもらって、場所を変えたら、石のようにゴロゴロとアサリが出てきて、すぐさま袋いっぱいに。今回は時間がかかったが、次回に活かせるよい経験になっただろう。
 
 貝紫染め体験(15:30〜)
弁天サロンへ移動し、管理人の相川さんに教わりながら、貝紫染めの体験をする。貝紫染めは、佐久島で採れる「ニシ」という貝の中の色素を使って、きれいな紫色にハンカチを染めるというもの。色素はごく少量しかとれないので、染めるのは全体ではなく、型紙などを使用してワンポイントを染める。自分で文字や模様を描く人もいて、それぞれ個性のあるハンカチが出来上がっていた。染め終わった後には、使った「ニシ」を相川さんがゆでてくれ、それもおいしくいただいた。
 
 夕食(18:00〜)
島内の食堂で、佐久島名物の「大アサリ丼」や生牡蠣、ゆでダコ、小エビのから揚げなど、海の幸とお酒を味わう。
 
 佐久島太鼓体験/島民との交流(19:00〜)
今回のプログラムで一番好評だったのが、この「佐久島太鼓体験」。元来奉納のための太鼓であるため、年に数回祭りで披露されるくらいだが、アート・プランでは、この魅力的な佐久島太鼓をもっとたくさんの人に知ってもらうため、「太鼓祭り」というイベントをおこなっている。そこで魅せられて、もう一度体験したいと楽しみにしていた参加者もいたほどこの太鼓は人の心に響く。参加者の感想は「かっこよすぎる」、「感動した」など。祭りでは、島民しか太鼓を叩くことはないが、今回は、島民が参加者に太鼓を叩かせてくれた。見て、叩いて、佐久島太鼓の魅力を存分に味わえたようだ。興奮はなかなか冷めず、帰り道も感想を口々に言い合っていた。その後入浴、自由時間、就寝
 
3月24日(水) 雨
 朝食(7:30〜)
 ミーティング(8:30〜)
「佐久島に対して自分たちは何ができるか」、「島民に何を望むか」という2つの議題を中心に、この3日間の体験を通して思ったことを話し合ってもらった。佐久島に対する率直な感想や新鮮な視点からの提言を聞くことができ、これからの活動で参考になる点が多々あった。真剣な話し合いからは、参加者の佐久島に対する熱い思いを感じることができた。この滞在期間中、参加者には、自然、人、アートなど佐久島の魅力を、強く感じてもらえたようだった。
 
 島民からのことば(11:00〜)
最後に、島民が宿舎を訪れてくれ、代表して「島を美しくつくる会」会長の松本さんから参加者へあいさつがあった。佐久島へ来てくれたお礼と「佐久島へまたいつでも遊びに来てください」とメッセージが送られた。
 
 解散(11:30)
(文責:オフィス・マッチング・モウル 山口潤子)
 
 
参加者データ
性別
年齢
職業
 現住所  
 来島数  
交通手段

32
 フリーランス編集者  
 岡崎市  
 2回目  
電車とバス

19
学生
 岡崎市  
 よく来る  
電車

21
学生
 静岡市  
 3回目  
電車

43
会社員
 安城市  
 3回目  


59
福祉施設職員
 西尾市  
3回目


38
無職
 岡崎市  
 2回目  


51
主婦
 神戸市  
初めて
電車

 
 
【関連情報】
 2003年度 佐久島体験/ショート・ステイ 参加者募集のお知らせ
 2001年度 佐久島体験/ショート・ステイ リポート

 
2日目
フィールドワーク東地区探検

2班に分かれて島めぐり。筒島の竹林をお散歩
 
 
三河湾クルージング


お隣の日間賀島、篠島を間近に見たり…。
 
 
「三河・佐久島アートプラン21」
レクチャー


熱心に耳を傾ける参加者たち。
 
 
昼食


食堂「ゆきや」にて、佐久島名物のアサリ&双子の看板娘たち。
 
 
フィールドワーク東地区探検続き


島独特の石垣の道を歩く。各自に渡したインスタント・カメラでお気に入りの風景をパチリ!
 
 
島のおばあさんによる
名物料理体験


これが「珍味コノワタ」だ!

朝、みんなで採ったお魚たち。

「トモガイ」という道具を使って、生のアサリを殻から取り出す参加者たち

名物料理「煮味噌」を教わる
 
 
3日目
椿ロードハイキング

海あり山ありも佐久島の魅力。
咲く花、散る花、どちらも美しい
 
 
昼食

ぽかぽか早春の陽射しを浴びて浜辺でお弁当
 
 
潮干狩り体験

コツをつかむまで結構苦労しました。
 
 
貝紫染め体験

大きなハンマーでアカニシ貝を割って、色素の部分を取り出します

思い思いのハンカチができました。後は、日光のちからで紫色になります
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
  
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
このプログラムは、三河・佐久島アートプラン21の情報紙『佐久島からの手紙 Vol.11 』の紙面で、参加者を応募しました。
 
 
 
参加費10,000円(プログラム参加費、宿泊費、食事代含む)
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■主催・問い合わせ先: 幡豆郡一色町
■共催: 一色町大字佐久島・島を美しくつくる会
■企画・制作: 有限会社オフィス・マッチング・モウル

佐久島太鼓体験の会場を彩った大漁旗
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