三河・佐久島アートプラン21 佐久島体験2008 祭りとアートに出会う島 荒木由香里展
『海ヨリキタリテ』 写真リポート
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貝、造花、ビーズ、見捨てられたおもちゃ、 シーグラス、ウニ、使い古した靴、針 石膏粘土 300×300×110 mm 2008年 ラメパウダー 225×85×165 mm 2008年 サンゴ、ビーズ 30×70×95 mm 2008年 拾ったタンポ、ビーズ 300×300×300 mm 海で拾ったゴミ、ジェッソ、メディウム、リボン、布 275×220×25 mm 2008年 羽、造花、プラスチック、発泡スチロール、メディウム、毛糸、綿、ビーズ、流木 400×1000×370 mm 2008年 【関連情報】 ● 荒木由香里展 『海ヨリキタリテ』 開催のお知らせ ● 荒木由香里ワークショップ 開催のお知らせ ● 荒木由香里ワークショップ 写真リポート 【同時期開催】 ● 佐久島アート・ピクニック 2008 |
■ 開催日時/2008年
7月5日(土)〜8月31日(日) ■ 会場 : 弁天ギャラリー ● 美しい花にはトゲがある 荒木由香里の作品には、「女の子が永遠に好きなもの」がキラキラとちりばめられている。そこには、女の子の持つ、美しいもの、可愛らしいもの、儚げなものへの愛情と、女の子をかたちづくる成分のひとつ「毒」もある。 今展の制作をはじめるにあたり、荒木はそれまで何度も訪れたことのある佐久島を、改めてアーティストの視点で見つめながら、ひとり、歩いた。浜辺を歩くと、そこここに打ち寄せられているさまざまな漂流物があった。 それは割れたガラスの破片が波に洗われて乳白色の小石のようになったシーグラス。それは死んで粉々になった貝殻。あるいはプラスチック容器の破片。そして漁具、流木――。それらはすべて見捨てられ、忘れ去られた「世界のかけら」。荒木は世界のかけらを拾い集め、もう一度新しい世界をつくり始める。 荒木由香里の作品には、ビーズ細工のような繊細さと、荒木によって吹き込まれた創造主の野心が同居している。キレイと可愛いだけでは現わせない、案外と強い精神が芯のように作品を支えている。そこには、あらたに与えられた命のエネルギーがある。 海を渡る蝶・アサギマダラがやってくる佐久島に、荒木はゴミのかけらで「butterfly」を羽ばたかせた。シーグラスとウニの刺でつくられた危険な「ガラスの靴」で、佐久島のミッドナイトを駆け抜けるシンデレラ。流木の枝にとまる極彩色の鳥たちが、大漁旗のように鮮やかに島の浜辺や森を飛びまわる。それは、荒木由香里がつくる新しい世界。奇妙な楽園だ。 冒頭に書いた荒木の持つ「少女の毒」は、悪意や皮肉っぽさとは無縁の純度の高いもの。いわば鉱物のように、地球のはじまりから時間をかけて生み出される硬質な輝きの中に潜んでいる。よどんだ私たちの世界で、小さく強く光るもの――。陽だまりと勘違いして直視しすぎると低温火傷をしかねないのでご用心。 (文責:オフィス・マッチング・モウル 内藤美和) |
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■ 2008年度 全記録 ■ TO HOME ■主催: 幡豆郡一色町 ■共催: 一色町大字佐久島・島を美しくつくる会 ■企画・制作: 有限会社オフィス・マッチング・モウル |
佐久島でのはじめての展覧会初日の荒木由香里 |
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