2005.7/14
このところテレビのニュースはロンドンのテロ一色です。昨年３月のマドリッドのテロを思い出して、とても嫌な気分です。あの時は４日後にマドリッドに行く用事があって、すごく不安になったり、マドリッドに着いてから事後の大変さを直接見てふかく落ち込んだのを思い出します。バルセロナは大丈夫だと勝手に思っていたら、町の東の方で昨日爆弾騒ぎがあってそのために爆弾探知犬が死んでしまったそうです。どうも落ち着かない日々です。また飛行機に乗る度の検査が厳しくなったり、あちこちで神経質な警備があるのでしょうね。のんきなバルセロナが変わったりしないといいなと思います。
展覧会が始まって２週間が経ちました。オープニングにはたくさんの人が来てくれて盛り上がり、想像以上に好意的でうれしい興奮がありました。僕の住んでいるサンフィリュの町からもわざわざ友人が来てくれてまるで自分のことのように展覧会の成功を喜んでくれました。いろいろ心配もかけたし世話になっただけに、そのことがなによりうれしかったです。オープニングの翌日にバルセロナに戻り、オープニングの成功をまたお祝いし近所のバルをはしごして、フラフラの状態のまま次の日の昼にはベネチアの空の下でした。
今年はなんと言ってもビエンナーレの年です。バルセロナから飛行機で一時間半の距離だし、せっかくなら見ておこうと思い行ってきました。１９９７年のビエンナーレも行ったので二度目になります。とにかく暑くて物価も高くて、とてもじゃないけど毎食レストランなんて無理ですが、イカ墨パスタのおいしい店にはしっかり行ってきました。バルセロナのイカスミご飯 （イカスミのパエリア） とはひと味違い、よかったです（イカスミ系にはまってます。日本でおいしい店知ってますか？） 。
本題のビエンナーレの方は、ビデオアートばっかり見せられて疲れ果てました。もちろんおもしろいものもありましたが、すっかり映像の祭典になってました。コツコツ作られた作品が少なくて、コツコツ作りたい僕としては悲しいと言うか、だからもっとコツコツ作りたいなと思ったりしました。
２日間ベネチアを駆け回ったあと、思い出のパリに行きました。パリには１９９８年に３ヶ月滞在させてもらっていました。あの３ヶ月はどん底でもあり、今思えばターニングポイントでもあった。格好悪い情けない３ヶ月でしたが、非常に多くのことを考えたり思ったりした素晴らしい時間だったので僕にとってパリは思い出深い場所です。
直前までのニュースではパリは猛暑で、噴水で水浴びしている若者の様子を流していたのに、僕が訪れた時は、毎日うす寒く小雨が降ったりしてました。パリではとにかく思い出の地巡りとルーブルからピカソ美術館までとにかく美術三昧。当時閉館中だったギメ美術館にも行けたし、安くて大きいので２日に一度は食べていたサンドニ通りのグレッグサンドイッチも食べたし、ポンピドゥーのブランクーシのアトリエも見られたし、満足です。しかし本気 （全開）のピカソの作品はすごい。 そんなに数はないと思うけど、すげー！ と素直に思います。
ようやくバルセロナに戻った日からも、オランダの友人は泊まりに来るわ、うちの両親は遊びに来るわで観光につき合って結局ゆっくりできないままの２週間でした。そんなわけで昨日はお昼寝、今日はバルセロネータの海岸でゴロゴロしてきました。なんて優雅な生活！ 長い浜辺にはトップレスや全裸の人がおなじくゴロゴロ。こんなおおらかな空気には何となくなれてきたので （慣れちゃうもんですね） 、よりのびのびした気分で一日過ごしてきました。
僕のバルセロナももう残すところあとすこし。片付けはもちろん今やっている展覧会のことや、帰国後の展覧会やいくつかのプロジェクトの準備があって落ち着ける時間は最後までなさそうですが、がっつり楽しんで過ごしたいと思ってます。
ではまた。
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ベネチア。サンマルコ広場。
ビエンナーレ会場風景。映像が多くて
会場内は暗い。
ルーブルとオランジェリーの途中にある
池。貸し出しのヨットのおもちゃで子ども
があそんでました。
ヴァンブののみの市。クリニャンクール
も大きくていいが、ここの風情はなんと
もいい。しかし買い付けに来ている日本
人をびっくりするほど多く見かけた。
商売だから仕方ないけど必死な感じで、
すこし場違いな気がした。
ブランクーシのアトリエ。よく再現されて
いて気持ちいい空間。こんなアトリエ欲
しい。
バルセロネータの海岸と私の影。
みんな恥ずかしくない！（友人撮影）
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