三河・佐久島アートプラン21 佐久島体験2006 祭りとアートに出会う島 松岡徹 展
か うん き ほう『佐久島のお庭 ― 夏雲奇峰の巻 ―』
か うん き ほう写真リポート
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【関連情報】 ● 松岡徹展 2006 『佐久島のお庭 ―夏雲奇峰の巻― 』 開催のお知らせ ● 松岡徹ワークショップ 2006 『またまた佐久島のお庭の小道をつくろう』 ● 松岡徹展 2005 『佐久島のお庭 2005』 写真リポート 【同時期開催】 ● 佐久島アート・ピクニック 2006 ● となりのおみせ プロジェクト 2006 |
■松岡徹展 『佐久島のお庭
―夏雲奇峰の巻―』 ■ 会期/ 2006年5月27日〜8月31日 ■ 会場/佐久島島内 大島 ● 『佐久島のお庭』は常設展示作品として、展覧会会期終了後もご覧いただけます。 飛び石でつなぐ島と本土 本年3月、佐久島内・大島に完成した松岡徹による『佐久島のお庭』は、公開後、訪れる多くの善男善女を魅了し続けてきました。『佐久島のお庭』は、アート作品であると同時に、それまで、釣り客以外はほとんど訪れる人のいなかった大島にできたあたらしいかたちの公園でもあるのです。 『佐久島のお庭』は空き地の中央部に位置する4連の山(実際の佐久島の四つの山を見立てている)とそのふもとにある枕木でできたサークル、サークルから西に延びるくねくねした小道、その終点にある立体作品『海神さま』、で成り立っています。 第二期制作となる今回は、枕木のサークルの東側にあらたな小道が作られました。その小道は、途中から、砕かれたタイルがモザイク状に表面に埋められた“飛び石”に変わり、いくつも枝分かれしながら大島東側の低い丘をのぼっていきます。 “飛び石”が並んでいる低い丘のかたちを、少し離れて見てみると、それはちょうど佐久島をふところに抱く、三河湾のかたちをしています。つまり、佐久島を模した4連の山から、私たちは三河湾を飛び石で渡り、本土である一色町にたどりつく――。アーティストによって佐久島を取り巻く三河湾の環境は、箱庭のようにミニチュア化されました。この庭がもたらすイメージのちからによって、私たちは海上を自分の足で自由に渡っていくことができるのです。 弁天鳥は舞い降りた “飛び石”のほかに、あらたにつくられたものに彫刻作品『弁天(べんてん)鳥(ちょう)』があります。作品はブロンズで製作され、台座部分は佐久島の海岸でアーティストが拾い集めた石を集積させてつくられました。 この作品は、島にある弁財天にちなんだ名前ではありますが、その姿かたちは仏教における想像上の生物“迦陵頻伽(かりょうびんが)”に似ています。極楽浄土で美しい声で仏法を説くとされる迦陵頻伽(かりょうびんが)は、日本の仏教美術では翼を持つ菩薩の上半身と鳥の下半身という姿で描かれます。 松岡徹の視点がとらえた架空の、想像世界の佐久島から飛来した人面を持つ『弁天鳥』がはばたく『佐久島のお庭』にたたずんでいると、とても不思議な感覚にとらわれます。昼間、子どもたちが歓声をあげて小道を駆け回ったり、お山の頂上で周囲を見回したりする楽しそうな姿を見るとき、この庭は公園の顔で人々を遊ばせています。けれど、人々が家路に着き、知多半島に夕陽が沈む頃、誰もいなくなった『佐久島のお庭』は、まるで現代に作られた浄土式庭園のようなたたずまいを見せます。 古来、迦陵頻伽(かりょうびんが)が描かれる図像は、浄土を表現しているといわれるからでしょうか? とある夕暮れ、お庭の上空には、大島に棲む鳶たちが『佐久島のお庭』を祝福する仲間の迦陵頻伽(かりょうびんが)のように、高く、低く飛び続けていました。 (文責:オフィス・マッチング・モウル 内藤美和) |
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■ 2006年度全記録 ■ TO HOME ■主催: 幡豆郡一色町 ■共催: 一色町大字佐久島・島を美しくつくる会 ■企画・制作: 有限会社オフィス・マッチング・モウル |
夏のお山は雑草でおおいつくされました。草取りがまったく追いつかん! |
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