三河・佐久島アートプラン21
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佐久島の雛まつり展
会場:弁天サロン・創作の間
会期:2018年2月20日(火)
〜3月25日(日)
9:00〜17:00 月曜休館
2010年2〜3月、10名のアーティストが参加する『佐久島 雛のまつり』展(主催:文化庁・愛知県)の開催時、佐久島の土雛・土人形の展示と吊し飾りの制作を行った。来場者にも、島民にもたいへん好評だったため、翌2011年から三河・佐久島アートプラン21のプログラムとして『佐久島の雛まつり展』を観光客が減少する早春の行事として取り入れた。今年で8回目の開催となる。
例年、観光客の少なくなるこの時期に、弁天サロンへ一歩足を踏み入れると華やかな雛飾りが出迎えてくれるもてなしで、佐久島での記憶を強く印象付けることを目指している。3組の内裏雛を最上段に、学問の向上を願う菅原道真(天神様)、縁起物の七福神、長寿を願う翁と媼、多産を願う犬の他、幼子を抱いた母親の像や、芝居の一場面と思われる土人形など、ひとつひとつ眺めるのが実に楽しい。当時の人々が、素朴な土人形に託した願いや祈りが伝わってくる。
佐久島に残る土人形はほとんど戦前に常滑など近隣の陶磁器生産地で作られていたもので、段飾りはせず、五人囃子や三人官女などもなく、内裏雛と上記の縁起物で構成されていたようだ。戦後は、佐久島でも本土と同様、土製ではない段飾りの雛人形が飾られるようになり、雛祭りに土雛が飾られることもなくなった。
土雛・土人形を華やかにとりまく吊るし飾りは、島民とボランティアで手作りしたものだ。現在はある種のブームになっている吊るし飾りだが、元々佐久島の伝統ではない。しかし、島の老人から「戦前には幼い子供が亡くなると、おもちゃを吊るしたものをお寺に備えた」という話を聞いた。悲しい話だが、子供への想いも感じる伝統だ。雛まつり展で展示する吊るし飾りは、すべての子どもとかつて子どもだった者たちへ捧げられている。>
本展は雛飾りの前で記念撮影をする観光客も、懐かしいと訪れる島民も多い人気の展示になった。佐久島の伝統文化の保護の役割も兼ねていることから、今後も続けていくとともに、この時期の観光の目玉としてさらに発展させていきたい。
(文責:オフィスマッチングモウル 内藤美和)