三河・佐久島アートプラン21 佐久島体験2006 祭りとアートに出会う島 『新・提灯行列』 写真リポート
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■ 『新・提灯行列』
■ 会期/2006年8月15日(火) 19:00〜19:30 ■ 行列ルート/ 大浦海水浴場〜崇運寺 ■ 参加者/65名 ■ 手づくり提灯コンテスト出品者/8名 黄昏の島を静かに進む光の列 8月15日に、東地区の大浦海水浴場から西地区の盆踊り会場の崇運寺まで行われる提灯行列。これは2001年のプロジェクト開始以来ほぼ毎年続いている、いわば恒例行事です。 きっかけは「人口も多く、観光客の宿泊施設が集中する東地区から、西地区の盆踊り会場である崇運寺までの2キロを、どうやって参加者に移動してもらうか?」という問題。夏は夜も暑い。2キロって結構長い。 デメリットをメリットに。佐久島でのアート・プロジェクトでいつも念頭に置いていること。トボトボ2キロ歩くのは辛い。せっかくなら、移動だって楽しんでしまおうではないか! というわけで、提灯行列は始まりました。 行列参加者が持って歩くのは、ゴミとして捨てられていたペットボトルを利用した手づくり提灯。アーティスト松岡徹のアイデアで、数回のワークショップで制作したもの。ペットボトルとあなどることなかれ、夜のとばりが下りるにつれ、素朴な提灯は思いのほか明るく行列の足元を照らし出すのです。 行列の歩く佐久島のメインロード、通称一号線沿いにはほとんど街灯がありません。行列がスタートしてしばらくすると、まったく灯かりのないエリアに突入。その時、手づくり提灯のあかり、それが列を成して続くようすが、まるで光の帯のようにくっきりと暗闇に浮かび上がります。 知られざる歴史の掘り起こし あれこれ考えて西地区まで人々を誘うにはワケがあります。崇運寺に伝えられている盆踊り「ヤートセ」は江戸時代のはじめ頃、今から400年近く前から踊られているといわれています。その魅力は一度踊ってみたら誰もがはまるほど。ただ、島のお年寄りから聞く盆踊りにまつわる行事のいくつかは、数十年前から途絶えて久しいこともわかりました。 そのひとつは、盆踊りに男性が仮装して踊り込む伝統。女装をしたり、漁で使う竹で編んだ籠をかぶったり。そこには驚きと笑いがあふれていたそうです。もうひとつは、編み笠をかぶって踊る伝統。「顔が隠れていると思い切り踊っても恥ずかしくないからいいんだよ」と老女は懐かしそうに語ってくれました。 仮装のほうはまだ実現していませんが、今年、プロジェクトで編み笠を購入。「盆踊りおどり隊」で先生役をつとめた島の婦人会のみなさんや、おどり隊参加者が数十年振りに編み笠で踊ることができました。 そして、あとひとつ、盆踊りが始まる前に村の世話役たちが紙で作られた裃(かみしも)を着て、踊りの輪を先導する、という伝統も失われて久しく、そのことを記憶している人もほとんどいません。しかし、使われていた裃のいくつかは残っていました。盆踊りではなく、まず提灯行列で数年前からその伝統は復活しました。盆踊り会場へ先導するのは、昔ながらの裃姿の男たちなのです。 今年はそれに加えて、オリジナルの手づくり提灯で参加してくれる人を募集したところ、8名が参加してくれました。アーティストの松岡徹を審査員に、それぞれ工夫を凝らした提灯の制作者全員に賞状と賞品が渡されました。少しずつ、ほんの少しずつ変わっていく。佐久島に合ったゆっくりしたペースで――。提灯行列は今年「新・提灯行列」と名前を変えました。 (文責:オフィス・マッチング・モウル 内藤美和) |
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■ 2006年度全記録 ■ TO HOME ■主催: 幡豆郡一色町 ■共催: 一色町大字佐久島・島を美しくつくる会 ■企画・制作: 有限会社オフィス・マッチング・モウル |
今回作った盆踊りのためのうちわが行列参加者にもプレゼントされました |
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