![]() 三河・佐久島アートプラン21 佐久島体験2008 祭りとアートに出会う島 平田五郎展 『佐久島空家計画6/大葉邸』
制作リポート 2
2008年8月16日〜9月6日
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8月16日(土)
新たに名古屋造形の天野さんが島入り。ちょうど天野さんが島に着く10時から佐久島の東にある筒島で弁天祭りがおこなわれる。せっかくなので平田さんに許可をもらい(大葉邸に平田さんを置き去りにして)見にいくことにする。弁天祭りでは、奉納佐久島太鼓の打ち込みが行われる。お祭りの時だけ弁財天でお守りを買ったりおみくじをひいたりすることができるということで、2人でおみくじを引いてみる……。なんと結果は、「大吉 ―ひたすらに信じて進めば、波あらくともついには渡れることができる―」これは、もう信じて頑張るしかないと黒目は心を新たにしたのでした。 午後からは、古参ボランティア・敏ちゃんも再び来島し高校生の島っ子あやちゃんも手伝いに来てくれて、昼間は作業、夕方からはおいしい食事を作ってと完璧にサポートしてくれる2人。おかげで安心して壁にむかい戦うことができます。さすがです。おいしい食事をみんなで食べて明日も頑張ります。 ■ボランティア 3名/天野入華(名古屋造形大学)酒井敏子、高橋綾(一色高校) 8月17日(日) 今日も晴天。日課のビリーとのふれあいタイムを済ませもくもくと壁塗りをしていく。天野さんは平田さんの指導のもと、めきめき上達。さらに平田さんは、漆喰を使って磨き壁を作るための準備も始めることができ、やっと先が見えてきた感じ。この日の終便で敏ちゃんが帰宅。明日からは去年もボランティアに参加してくれた名城メンバーの森川君・水谷君がやってくる。この調子で壁を塗りきろう。 ■ボランティア 3名/天野入華(名古屋造形大学)酒井敏子、高橋綾(一色高校) 8月18日(月) 9時40分の船で期待の星!! 森川君・水谷君が島入り、早速作業に入ってもらう。 去年のレジデンスで頼りになるとわかっているので壁塗りを指導する平田さんにも力が入る。彼らがいる間に土壁塗りを終わらせてないと、まだまだ漆喰の磨き壁、その他補修が待っている。久しぶりの男手なので水谷君にハンドミキサーを使って材料をつくってもらうが、ハンドミキサーが空回りして暴走、コードが切れるという事件が……。でも大丈夫、切ってつなげて再始動。大葉邸に来るとたいてい何でも対処できるようになるんです。 天野さんは、午前中で作業終了。平田さんを相手によくがんばってくれました。入れ替わりに大学2年生の市川さん、原田さんがボランティアに参加。緊張しているようすが初々しくてかわいらしい2人。平田さんや大葉邸に驚きつつも頑張ってくれました。 ■ボランティア 5名/天野入華、森川祐喜(名城大学)、水谷知宏(名城大学)、市川あきこ(静岡文化芸術大学)、原田彩也子(杉山女子大学) 8月19日(火) 今日も朝からみっちり作業。 はがれおちた土壁の補修につかう「城壁」という漆喰とわらすさと砂が配合された材料が届く。これで部分的にはがれおちた壁を補修できる。左官の師匠、岡田さんに言われたように水でこね壁にたわしを使ってあらくすりこんでいく。その上から中土を同じくあらく乗せて、完全に乾けば補強完了だ。乾いたら中土を塗って仕上げ用の土を塗っていく。と言っても、すぐ乾くわけではないし本当にうまくいくのか不安でいっぱいだ。 一方、大人数ボランティアが来てくれて、すっかりリラックスしている平田さん。合宿所に戻る途中、ふざける平田さんに厳しく突っ込んでしまった。スタッフとして、厳しく時に優しくなくてはならないはずなのに、そろそろ私も限界だ……。心で優しくできないならば、飴を出そうということで佐久島名物「あさりの干物」を買ってきて酒のつまみに準備。これで明日も頑張ってください。 ■ボランティア 4名/森川祐喜、水谷知宏、市川あきこ、原田彩也子 8月20日(水) この日、内藤さんが朝7:40便の渡船で島入り。黒目は、約一週間ぶりに島を出る。 名城チームは、物事に対する好奇心が強い上に集中力もあるのでめきめきうまくなっていく。でも、「海には入りたい。徹夜してでもノルマとして壁塗りはおわらせます。」ということで、午前中に手早く中塗りを終わらせて島の小学生、太陽君と一緒にお昼休みに海へ! 彼らは、いい意味で切り替えがうまいなぁ、と思う。 おかげで市川さん、原田さんもうちとけてきた様子。気づけば土壁塗りも残り2〜3割になっているし、よろしくお願いします! さようなら。 その夜名城の2人は言葉通り、平田さんとともにぐったりと弁天サロンで倒れこむほどしっかり作業してくれたようだ。 ■ボランティア 4名/森川祐喜、水谷知宏、市川あきこ、原田彩也子 8月21日(木) 前日遅くまで作業したにもかかわらず、有言実行で平田さんと森川君、水谷君は朝6時から合宿所を出発。作業の前に「すわるとこプロジェクト」のベンチにより道。男同士3人、何を話合ったのか。男の友情!? 市川さんと原田さんは、昼までで作業終了。森川君、水谷君は最終便まで。おかげでずいぶん作業が進みました。 ■ボランティア 4名/森川祐喜、水谷知宏、市川あきこ、原田彩也子 8月22日(金) スタッフ黒目が復帰。また、ボランティアがいない日が続く。平田さんと二人で作業。技術的には、上達しているものの基盤になるもとからある壁の状態が良くないために思うように作業は進まない。土をおいても元の壁が水分を吸ってぼろぼろとおちてくる。このまま続けてもらちがあかないので、はがれてきそうな部分には最初から補強に城壁を塗ることにする。結局、その部分は乾くまでの時間放置するしかない。何とももどかしいが、仕方がないので柱を磨いたり片づけをしていく。平田さんは、コテを砥石で研いだり、磨き漆喰の準備を進めてこの日も深夜まで作業。 ■ボランティア 0名 8月23日(土) 久々の雨。雨の中でも、平田さんは日課のビリーの世話は欠かさない。黄色い雨合羽を着てビリーのもとへ向かう平田さん。二人っきりにしてあげようと私は車の中で待機。 雨が降ればその分涼しくはなるものの、壁の乾きまちをしている今はあまりありがたくない。涼しくなったといっても風通しの悪い大葉邸ではあまり関係ない上に作業を始めれば汗はタラタラ流れてくる。明日の天気に期待しつつ作業終了。 ■ボランティア 0名 8月24日(日) 朝雨がやみ、暑くなりそうな予感の晴天。これで土壁の乾燥が早くなるはずだ。しかし、一か月の長丁場で、確実に疲労が蓄積している様子の平田さん。起きてこない。それでも容赦なくたたき起して作業開始。 今日は日帰りで敏ちゃん、マッチングモウル池田さんがやってきて昼ごはん、夕ご飯を準備してくれる。いつものおにぎりご飯とは違ったおしゃれなランチ。さらに私の誕生日ケーキを用意してくれ、一足早いお誕生会をしてくれて本当に癒される。なんて幸せ者なのでしょう。それを励みに土と格闘。 ■ボランティア 1名/酒井敏子 8月25日(月) 前半も手伝いに来てくれた榊原君と新たに佐溝さんが島入り。ちょうど12時に船が佐久島につくので、まず4人で昼ごはんを食べることにする。 実は、和菓子屋さんの息子、榊原君がお菓子の差し入れをしてくれる。平田さんはすっかり榊原君を気に入って島っ子、太陽君とともに遊んでもらっている。改めて、平田さんは誰に対しても自分を変えないなぁと思う。よくも悪くも平田五郎は、いつでも平田五郎だ。その「よくも悪くも平田五郎」の性質を瞬時に理解した今回レジデンス最年長の佐溝さん。それもそのはず、いろいろな場に出かけていきボランティア経験もあるそうで、初めから平田さんとわたりあっている、というか負かしている。すごいです! さて土壁の残りの塗り面積は、一割程度なのだがなかなか進まない。多くが一度はがれてしまった壁の補修個所で、このほとんどが塗りづらい壁の四隅でさらに小さいのでコテが動かしつらいという悪条件。でも城壁という漆喰で下地を補強したおかげで、また壁がはがれおちるということはなさそう。それでも心配なところには、ひもをガンタッカーでこれでもかというほどに張り巡らせる。平田さんの思いつきの対処法ではあるが、信じるしかない。 ■ボランティア 2名/榊原誠樹、三溝とも子(稲沢市) 8月26日(火) 今日は午後から新たに3人ボランティアが島入りするので、分担して壁塗り作業と並行して、建具の補修や磨き漆喰の準備作業を始める。 榊原君は、引き続き土壁塗りを担当。佐溝さんと今日から参加の三浦君は、建具に柿渋を塗り補修作業。親子で参加の真野さん親子には、磨き漆喰に使う石灰クリームを裏ごししてもらう。平田さんは、磨き壁の下地つくりに取りかかることもでき、いい調子である。 今日から参加の真野さんは、実は数日前に観光で佐久島を訪れ、「自分も何か協力したい」と大葉邸のボランティアに参加しようと息子さんと一緒にやってきてくれたのです! 自宅の壁を作った経験もあり、何とも頼もしい。さらにお仕事はシンガーソングライターということで歌はもちろん、場慣れしている分しゃべりのほうもプロ級で、大葉邸にやってきたお客さんに完璧なガイドをして下さり……。言わずと知れた平田さんのキャラクターをしのぐ、ボランティアが集まった感だ。佐溝さんと同じく、すっかり平田さんを負かしている。 ■ボランティア 5名/榊原誠樹、三溝とも子、三浦祐樹(愛知教育大学)、真野明美(福岡市)、真野丈太(日進市) 8月27日(水) 今日は、もう一つ補修作業が増える。ガラス作品の入っているくどの上にぼろぼろになった天井からすすやほこりが絶えず降ってくる。それを解決するために、いつもお世話になっている島民の三宅さんに相談し、板をはろうということになったのだ。発注していた部材が届き、早速のこぎりで切りだし、墨で色を塗っていく。三浦君は、普段から大学で制作をしているので、素早くはり方を理解して平田さんをサポート。すすまみれになりながら大変な板はりをほぼ完成させてくれる。その一生懸命な姿勢に平田さんも「ほんとおイイ子だね〜」と感激している。でも三浦君と佐溝さんは今日まででボランティア終了。 作業も順調に進み、夕飯が合宿所で食べることに。食事のあとで平田さんは丈太さんと晩酌。 ■ボランティア 4名/三溝とも子、三浦祐樹、真野明美、真野丈太 8月28日(木) 朝食の準備をしていると、丈太さんがすっきりした表情で起床。一方平田さんは、寝坊。かなり遅くまで話し込み、丈太さんはすっかり「平田ワールド」にはまってしまったらしく不思議な友情が芽生えたらしい。 弁天サロンで、今日からまたボランティアに参加してくれる榊原君、高須さんと合流して作業開始。土壁塗りと建具の補修、さらに漆喰壁の材料の準備と分担して進めていく。ガラスが割れて、抜けおちていた建具にはめる新しいガラスも届き、島在住の家具作家・野田さんにガラスをはめてもらう。いったん建具を野田さんにあずかっていただき、大葉邸がきれいに掃除できたら持ってきてもらうことにする。 熱い中ひたすら井戸水をくみあげ砂を洗ってきれいにする作業やすすを払う作業などですっかり体力を消耗してしまった丈太さんがダウン。力になりたいという気持ちがあっても体がついていかない。明美さんがフォローするもどうしようもないので先に合宿所におくり届けて休んでもらうことに。しかし、作業が終わって合宿所に戻ってみると停電しているし、丈太さんの姿もない。ブレイカーを何とか探し出し、電気が復活。丈太さんは電気がつかなくて外にいたらしく無事見つかり一安心。疲れて帰ってきて電気がつかないなんて、電気のありがたさを感じた夜でした。 ■ボランティア 4名/真野明美、真野丈太、榊原誠樹、高須さくら 8月29日(金) 真野さん親子は、昨日のこともあるので相談してボランティア終了。榊原君、高須さんも最終便の船で島を出るので、今日で土壁塗りを終了させるべくみんなで壁塗りをしていく。 しかし、明日食料をもって島入りする予定だった内藤さんが別の仕事で来られなくなり、命をつなぐため急きょ私が一色まで船に乗って買い出しに行くことに。昼の船に乗り、久々の本土だ……。これを最後にレジデンスが終わるまで島の外に出ることはないから「喫茶店でコーヒーでも」とちかさんが電話で気遣ってくれるものの、結局そんな時間も取れず両手いっぱいの荷物を抱え島に戻る。私が島を離れている間に、土壁塗りももう一息! 深く感謝して2人を見送り、再び平田さんと二人。明日は雨が降るらしいし頑張らなければと深夜まで作業。 ■ボランティア 2名/榊原誠樹、高須さくら 8月30日(土) 朝から雨、それもかなりの豪雨。そのため今日から参加の久保田さん、徳田さんは船の時間に合わずと雨に苦しめられる。雨が降ると作業も進めづらいし、なんといっても気が滅入る。そんなことを考えていたら、携帯電話にじゃんじゃん連絡が入ってくる。なんと岡崎では、集中豪雨で避難勧告まで出たらしい。「みんな心配してくれてありがとう。でも、ずっと島にいるから大丈夫です。」と返すも、それはそれで大変だね、と励まされるのであった。 久保田さん、徳田さんもなんとか島入りできて、作業開始するも思うように進まない。明日は天気になりますようにと祈りつつ、作業終了。 ■ボランティア 2名/久保田桃子(愛知教育大学)、徳田あい(愛知教育大学) 8月31日(日) 昨日の雨がうそのようにいい天気になる。名城チームの水谷綾ちゃん、えみちゃんが今日からボランティアに来てくれる。 終盤に近づき、体力勝負の土壁塗りは終わったものの補修の作業や漆喰の材料の準備など神経を使うことが増えてくる。平田さんも神経を使う作業にピリピリしている。そんな平田さんを最初のうちは、少し怖がっていた久保田さん徳田さんも慣れてきて、我慢強く対応してくれる。久保田さん、綾ちゃん、えみちゃんに梁や床を磨いてもらい、徳田さんには、平田さんについて漆喰壁の材料作りと作業分担して仕事を進めていく。青い漆喰壁をつくるために石灰クリームに染料の藍を混ぜるのだか、藍が手に着くと取れなくなってしまう。気づくと徳田さんの手が真っ青に!! 女の子の手をなんてことに……。それでも「大丈夫です」と笑って許してくれる徳ちゃんに頭が上がりません。おかげで、漆喰壁の材料も出来上がり、いよいよ明日から漆喰壁に取り掛かる! ■ボランティア 4名/久保田桃子、徳田あい、水谷彩子(名城大学)、山本枝実(名城大学) 9月1日(月) 引き続き、梁磨きや神棚の補修と漆喰の磨き壁作りを進めていく。そして、とうとう漆喰壁を一気に仕上げていく。漆喰を塗っては乾く前にまた塗り重ね何層にも重ねていき、最後に藍を混ぜた漆喰を塗り、手のこうでひたすら磨いていく。とにかくひたすら自分の姿が写りこむまで磨き続けるためいつ終わるか、とういことがわからない。午後、一番に磨き始めようと言っていたものの、雨が降り始め、乾きも遅くなり思うように進まない。結局、途中でその場を離れられず平田さんは大葉邸に残って深夜まで作業することに。ボランティアのみんなを合宿所に送り届けた後、平田さんの夕ご飯と自転車をもって大葉邸へ。そして、平田さんは一人黙々と壁に向かうのであった。 ■ボランティア 4名/久保田桃子、徳田あい、水谷彩子、山本枝実 9月2日(火) 朝、ごはんの準備をしていると平田さんがふらふらになりながら帰ってきた。ほんの1、2時間の仮眠のあと再び大葉邸に向かう。体力的にはかなりきついはずだが、それでも一番の山場だった磨き漆喰を塗り終えて一安心の様子。平田さんが一晩かけて磨き上げた漆喰に感激。鏡のように自分の姿が写りこんでいる。しかし、完全に乾くまで安心はできない。定期的に漆喰壁の状況をチェックしつつ、床を覆っていた養生シートを外していく。養生シートとブルーシートを敷いていたといっても、かなり汚れてしまった床をきれいにしていく。床全体に墨を塗り、さらに布で磨きあげていく。手を真黒にして、床全体を塗り終わることができた。4人とも今日でボランティア終了。平田さんを囲んで記念撮影をしてお別れ、本当にありがとう。 しかし、そんなに簡単にうまくいくわけもなく更なる問題が発生。それも、大葉邸事態の存亡いかかわる問題を発見。何とあと数ミリで柱から梁が抜けそうになっている。真っ青になるしかない状態になり、いつもお世話になっている頼れる島人、三宅さんに連絡。忙しい中、駆けつけて下さり、「みすみす崩れるのをほうっておけない」と抜けかかっている柱と大黒柱を太いチェーンでつなぎ、少しづつ機械で引き寄せ金具を入れて梁を固定するという。え!? と思っているうちにてきぱきと準備をしてあっという間に梁が元の位置になった。さすがです。あんなに不安でいっぱいだったのに三宅さんがきてくれて瞬く間に解消して下さり、ただただ感謝しどうし。 ■ボランティア 4名/久保田桃子、徳田あい、水谷彩子、山本枝実 9月3日(水) つい数日前までボランティア0人の予定だったものの立て続けに連絡があり2人も来てくれることになる。山本君は午前中から島入りして、崩れていた入口の石をセメントで補修してもらう。さらに蔵の壁が崩れ土で柱が埋もれてしまっていた場所の土をスコップでかき出すという力仕事をお願いする。昼からは、塚本さんがはるばる静岡県からやってきてくれる。大葉邸の土間に置いてあった道具や土を片付け、土埃にまみれながら掃除をしてくれる。野田さんが徐々にきれいになっていく大葉邸へ、建具にガラスを入れて持ってきてくれ無事設置完了。再び三宅さんが様子を見に来て下さり、あれこれとアドバイスを頂き、足りない道具やコーキングも手配してくくれて着実に完成にむかっている。 しかし、おそれていたことが起こってしまう。きれいな深い青色だった磨き漆喰の壁がに白い靄のようなが現れ始めあっという間に、白っぽい水色がかった壁になってしまったのだ。以前、黒磨きをやった時と同じく「白化」してしまったのだ。プロでも難しい漆喰の磨き壁。いくら努力しても職人にはかなわないのだと痛感。平田さんに「どうするんですか?」と尋ねると、「仕方ないし、これはこれでいい。」という答え。大学で工芸の伝統技法について学んでいた私にはまったく理解できない平田さんの開き直なおったとしか思えない様子に絶句してしまう。そんな中さらに問題が起きそうな予感がする。平田さんが「貝紫染め」について弁天サロンの管理人、相川さんにあれやこれやと聞いている……。「どうするつもりですか?」と聞くと障子紙を貝紫で染めて、うっすら紫色にしたいという。そんな突然……。障子3枚分の紙を染めるのにいったいどれだけのアカニシ貝が必要なのか、見当もつかない。「なんとかなると思う」という平田さんをとりあえず黙らせて、「ちょっと考えさせて下さい」と策を練る。 ■ボランティア 2名/塚本南波(静岡県)、山本辰典(愛知教育大学) 9月4日(木) 作業を今日で終了して明日は平田さんの写真撮影の時間を取るべく、残りの作業をテキパキ進めていく。まずは、床をぬかで磨きつや出しをして、障子のさんを柿渋と墨で塗りなおしていく。その間に、私は貝紫染めについて、情報収集をして「平田さんのやりたいことは難しい」という結果にたどり着いたのであった。昨日の今日でいきなり障子3枚分染めるだけのあかにし貝を集めることがまず難しい上に、紙をむらなく染めるのも難しい。と問題点をいくつも上げ、ちょっとした言い合いになりつつも、平田さんを何とかねじ伏せ、あきらめさせることができたのだった。ひと悶着あったため平田さんと私の間にはピリピリとした空気が流れている。それを山本君が冗談をいいつつうまいこと和ませてくれ、なんとか障子紙をはりおえ、内藤さんも島入り。夕飯は、島の方にアジを大量にいただき、天ぷらにしておいしくいただき、明日のラストスパートに向け力をつけたのでした。 ■ボランティア 2名/塚本南波、山本辰典 9月5日(金) 大葉邸にあふれかえていた道具を片付ける。長い制作期間のうちに平田さんの道具とマッチングモウルが準備した道具がめちゃめちゃに混ざっている。それでも昼3時までには作業を終わらせ、予定通り写真撮影に入れるようにと気合を入れて作業スタート。照明のセンサーを調整したり、庭の整備をし、大葉邸の外壁を黒く塗りなおしたりと出来うる限りなんでもろう! とやっていくうちに、結果としてはかなり隅々まで手が入れられた。 大葉邸の第1回目からボランティアに来てくれているぶうちゃんこと高木さんが忙しい中、顔を出してくれ慣れた様子で片づけを手伝ってくれ、場の雰囲気も和んだのでした。地味な仕事にはなってしまったけれど、文句も言わず最後までがんばってくれた2人にも感謝です。作業最後の夜は、島内で創作料理のお店を営業している水谷さんに招待していただき、疲れをいやしたのでした。最後に徹夜もなく無事明日のオープニングを迎えられるなんて、本当によかった。 ■ボランティア 3名/塚本南波、山本辰典、高木志津子(常滑) /平田友人・カメラマン田中さん 9月6日(土) 長かったレジデンス期間が終わり無事に平田五郎展「佐久島空家計画/大葉邸6」がスタート。本当に多くのボランティアに助けられました。オープニングにも、たくさんのボランティアが参加。大葉邸は展覧会終了後も、常設展示作品として一般公開が続きます。すべての壁が塗りなおされ、すすが落とされ、今までとはまた違った空気が流れ始めた大葉邸をご覧になってください。 ■オープニングに参加してくれたボランティア/山本辰典、真野明美、真野丈太、市川あきこ、原田彩也子、酒井敏子、中山ゆき、榊原誠樹 ![]() 【関連情報】 ● 平田五郎展 『佐久島空家計画6/大葉邸』 ● 平田五郎 アーティスト・イン・レジデンス 2008 ● 『佐久島空家計画6/大葉邸』 制作リポート1 ● 『佐久島空家計画6/大葉邸』 写真リポート 【同時期開催】 ● 佐久島アート・ピクニック 2008 |
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■ 2008年度 全記録 ■ TO HOME ■主催: 幡豆郡一色町 ■共催: 一色町大字佐久島・島を美しくつくる会 ■企画・制作: 有限会社オフィス・マッチング・モウル |
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