三河・佐久島アートプラン21
佐久島体験2008 祭りとアートに出会う島
 
  
平田五郎展
『佐久島空家計画6/大葉邸』
写真リポート

 

 

 

 
 
 
【関連情報】
 平田五郎展 『佐久島空家計画6/大葉邸』
 平田五郎 アーティスト・イン・レジデンス 2008
 『佐久島空家計画6/大葉邸』 制作リポート1
 『佐久島空家計画6/大葉邸』 制作リポート2

 
【同時期開催】
 佐久島アート・ピクニック 2008

平田五郎展
佐久島空家計画6/大葉邸
2008年9月6日(土)
      〜11月30日(日)
会場:西地区 大葉邸
 
アーティスト・イン・レジデンス
総日数:34日
制作ボランティア:のべ 111名

 
 
 
ふたたび壁をつくる
 
大葉邸は、門、庭、室内(玄関土間、田の字型に並ぶ4つの部屋)で構成されている。これまでの5回の制作では、作品の核になるような部分がいずれかの場所に必ず加わり、それが作品としての大葉邸を支える柱のような役割を果たしてきた。しかし、今回は、一見、どこに変化があるのか、何が新たに加わったのか、たいへんにわかりづらい内容となった。それもそのはずで、これまで作ってきたものが大葉邸をかたちづくる“柱”であるなら、今期のテーマである“壁”は、文字通り柱と柱の空間を満たすものだからだろう。
 
静的な大葉邸の表現の中でも、さらに密やかに――、けれど実は白い部屋以外のすべての部屋(玄関土間と3つの部屋)の土壁が塗りなおされるという制作としては大掛かりなものとなった。作業は、100年前に塗られた後、長い年月の中で力を失った土壁を剥がすことからスタートした。
 
 
見えない空気
 
それ自体強い自己主張のない土壁。しかも、塗りなおした4室のうちの2室はまったく照明のない部屋だ。それなのに、不思議と室内は塗りなおし以前とは異なる空気の密度を感じることができる。「空気の密度」――。そう、今回の作品化による大葉邸の一番大きな変化は、この目には見ることができない空気の密度の変化だ。もちろん、土壁は部屋や場所により、作家の意図に沿って異なる素材や技法を取っている。この繊細な質の変化はもちろん視覚によって確認することができる。
 
けれど、結局のところ一番の変化は目に見えない部分にある。それはこの建物が造られて100年を経て、平田五郎によってさまざまに手を加えられ、作品化した新しい大葉邸を満たす最後の要素なのかもしれない。
 
(文責:オフィス・マッチング・モウル 内藤美和)
 
※大葉邸は展覧会終了後も引き続き常設作品として見学できます
 2008年度 全記録
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■主催: 幡豆郡一色町
■共催: 一色町大字佐久島・島を美しくつくる会
■企画・制作: 有限会社オフィス・マッチング・モウル


擦りガラスの窓には、雨戸の木の節穴がピンホールとなって、外部の風景を映し出している
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