三河・佐久島アートプラン21
佐久島体験2009 祭りとアートに出会う島
 
 
みかんぐみ
『佐久島弘法プロジェクト』
写真リポート 2
■ 秋葉山/竹内昌義 『銀』
輝くステンレス製の弘法さんの祠。晴れた日にはキラキラ光り輝きます
 
いい景色を眺めながら弘法さんが笑っているように見える。不思議です

 
 
■ 富士山/曽我部昌史 『青』
丹梨海岸へ向かう富士山の山道、斜面に設置された曽我部さんの祠
北向き斜面なのに内部から光があふれるように輝いているのは何故?
ゴージャスな内装。ピンク色は佐久島の貝から採った染料で染められた

 
 
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【関連情報】
 『みかんぐみ 佐久島弘法プロジェクト』 開催のお知らせ
 『みかんぐみ 佐久島弘法プロジェクト』 写真リポート 1
 『佐久島弘法プロジェクト 現地見学会』 写真リポート
 
【同時期開催】
 佐久島アート・ピクニック 2009
 あいちアートの森 佐久島プロジェクト『佐久島・雛のまつり』


 
みかん畑で会いましょう
 
秋葉山のみかん畑沿いにある竹内昌義設計の祠「銀」は、三河湾や遠くの島々を望むことができる南斜面という気持ちのいい場所に建っています。一日中太陽の光に満ちているこの場所にふさわしく、祠はステンレス製の二十面体構造となっていいて、まるで宝石のようです。
 
弘法大師の法号が「遍照金剛」であることから、ブリリアンカットのような祠の形は、あまねく照らす金剛石(=ダイヤモンド)を連想させます。また、弘法大師は「銀(水銀)」の鉱脈と深い縁があるとも伝えられることと、素材のステンレスの銀色が不思議に呼応して、歴史と現代の出会いを感じさせます。
 

 
素焼きに彩色された弘法座像の下には、新谷(にいや)海岸の紫色の砂が敷き詰められています。砂が紫色なのは、たくさんのムール貝のカケラが波に洗われ、細かく砕けて砂に混ざったからです。長い年月をかけて浜辺全体を紫色に染め上げる自然の大きな力も感じます。
 
紫色の砂の上には、円形の透明アクリル板が置かれ、弘法大師座像はその上に静かに座っています。弘法さんを取り巻くように砂の表面には、枯山水の水面を現わす砂の紋が引かれているのも微笑ましく、現代的な祠に引っ越すことになった弘法さんも喜んでいるようにみえます。
 


波音が聴こえる森の中で
 
東地区の富士山にある弘法道の途中から、丹梨海岸に降りる小径沿いに曽我部昌史設計の祠「青」が設置されました。祠から少し下ると丹梨海岸、というこの場所は、海の気配をかすかに感じる森の中にあります。
 
「青」と名付けられた祠には、ふたつの由来があります。ひとつは、秋になると祠の近くにツワブキの群生するに訪れる「海を渡る蝶 アサギマダラ」。もうひとつは、佐久島の海に生息するアカニシ貝から採れる紫色の染料。「青」の名称には、蝶や貝など佐久島の自然がもたらす色彩が取り入れられています。
 

 
山道を歩いてたどり着いた来訪者は、小暗い森の北斜面の一角から、光があふれている不思議な光景に出会うことでしょう。ステンレス製の本体がすべて土中に埋められているこの祠の天井には明かり取りが付けられ、斜面を貫いて外光を内部に取り込んでいます。輝く光に包まれた弘法大師像の神々しさに、自然に合掌してしまいます。
 
ただ、この光に包まれた弘法さんに会えるのは、晴れた日の朝から正午頃まで、という限定された時刻だけです。古代遺跡で限られたな時期(例えば夏至や冬至)だけ、特別な光景に出会えるのと似ています。
 

 
弘法さんにお参りした後は、山道を降りるとすぐの場所にある丹梨海岸で、石ころが転がる軽妙な波音に耳を澄ませてみませんか? 祠をとりまく楽しい形の「へんな石」も、この海岸で拾われたものです。
(文責:オフィス・マッチング・モウル 内藤美和)

 
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■主催: 幡豆郡一色町
■共催: 一色町大字佐久島・島を美しくつくる会
■企画・制作: 有限会社オフィス・マッチング・モウル
曽我部さん設計の祠から少し下ると丹梨海岸。へんな石がたくさんあるよ

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