三河・佐久島アートプラン21 佐久島体験2001 祭りとアートに出会う島 松岡徹による
ワークショップ「思い出の宝物」・リポート |
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2001年12月2日(日) 14:00〜16:00 会場/弁天サロン 寄り合いの間 ■ 思い出ってなんだろう? 松岡徹展『サクシマ劇場』の関連行事として、ワークショップ『思い出の宝物』が開催された。「だれでも持っている大切な思い出」がテーマ。それを粘土によってかたちにしてみるというもの。 「宝物のような大切な思い出」とは何だろう? 粘土でかたちをつくる前に、参加者はそれぞれの「思い出」について、考えることになる。ただ、かたちをつくるというそのことは、それはそれで楽しい作業だ。けれど、アーティストによるワークショップでは、そこに別のプラスアルファが生まれる。そこでは、多かれ少なかれ、自分を見つめる、自分の心を覗いてみる、という作業が含まれてくる。参加者はそれぞれの立場で、それぞれの思い出について、考える機会を持つ。佐久島でおこなわれるアート・プロジェクトは、その作業をいつも大切に考えている。 ■ 老いも若きも粘土と格闘 「それぞれの思い出について考える」という課題の次は、実際にそれをかたちにする作業が続く。参加者はふたつの車座になり、それぞれ粘土が配られた。参加者の年齢は小学生から70代まで。大人たちは、年齢に比例して、粘土でものをつくることが数年〜半世紀以上のブランクがある。ひんやりと冷たい粘土を手に、はじめは戸惑う者も多かった。けれど、四角いかたまりを手の中でころがしながら、それでも少しずつかたちが生まれていく。 粘土でつくるテーマやかたちは自由だが、最終的にそれは照明作品となる。骨のない提灯や「ねぶた」を想像していただければおわかりになるだろうか? さまざまなかたちの中に電球が入れられ、明かりが点ると、そのかたち全体が和紙を通してやわらかく光るのだ。そういうわけで、制作の中で唯一の「きまりごと」は、「中に電球を入れるだけの空間をつくること」だけ。そのため、松岡徹は電球の入る空間分の発泡スチロールの立方体を用意し、参加者はそれを粘土の中に包みこんだ上で、それぞれの思い出をかたちづくっていった。 ■ 作品を囲んで できあがった作品は、どれもユニークだった。そこには、それぞれの物語があるからだろう。ずらりと並んだ作品を前に、「これは誰の?」「これって何?」――楽しい会話がはずむ。佐久島小学校の校長先生が作ったのは狐。校長先生は「狐」にどんな思い出があるのだろう? 夏におこなわれた弁天祭りでボランティアに来てくれた若者がつくったのは「裸の赤ん坊(?)」。これは誰? どんな作品にまつわる思い出も、楽しいものだ。 これらの作品はすべて、松岡徹の手によって照明作品に生まれ変わり、また新たな物語を語りだすだろう。それを見たものも、その物語に耳を傾けるかもしれない。また、つくり手は自分自身の物語を別の角度で目撃し、それに目を凝らすだろう。それは、素朴なかたちではあるけれど、大切にしたいコミュニケーションのかたちである。作品は『特別展「思い出の宝物」』として、公開される。 特別展『思い出の宝物』 2002年1月4日(金)〜1月8日(火) 午前9時〜午後5時(7日は休館。最終日の8日は午後2時まで。その後午後6時〜8時の「八日講夜会」でも特別展示されます 会場/佐久島弁天サロン隣 漁具倉庫 【関連情報】 ● 松岡徹展 『サクシマ劇場』 へ ● 松岡徹展 島びと交流会・レポート ● ワークショップ 『思い出の宝物』 参加者募集のお知らせ ● 松岡徹作品による 『2002年新春インスタレーション』 レポート ● 特別展 『思い出の宝物』 ・レポート ● 同時期開催 八日講祭り |
松岡徹もいっしょに作品づくり 佐久島小学校の先生も 佐久島小学校校長先生の思い出は? ほら見て見て! 出来上がった作品に盛り上がる参加者たち どんな照明作品に変身するのかな? 「だっこちゃん」は誰の思い出? |
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■ 2001年度全記録へ ■ TO HOME ■主催: 幡豆郡一色町 ■共催: 一色町大字佐久島・島を美しくつくる会 ■企画・制作: 有限会社オフィス・マッチング・モウル |
大人も子どもも粘土づくりに熱中 |
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