三河・佐久島アートプラン21 佐久島体験2003 祭りとアートに出会う島 平田五郎展
佐久島空家計画3/大葉邸
写真リポート
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大葉勝(神奈川県相模原市)、佐久島島民のみなさん 【制作ボランティア】 天野太一 (名古屋造形大学)、天野陽史・尾野訓大・田中桂 (名古屋芸術大学)、 高木志瑞子・杉本小百合・花井佐代子 (愛知県立芸術大学)、村松弘美・森晴香・斉藤真子・斉藤修 (静岡文化芸術大学)、石山和広 (武蔵野美術大学)、 酒井敏子・酒井紀子・西沢碧梨・佐藤三枝子 (名古屋市)、 早崎志保 (岡崎市)、佐田真由美・和田裕・加藤健・鈴木朝子・大田由香梨・名生秀明・大森直・大石篤史(東京) 【墨すりサポーター】 鋤柄邦博 (名古屋市)、松浦真理子 (刈谷市)、安田茂・中尾幸人・大和田孝也 (小牧市)、市橋有三・後藤士朗 (犬山市)、服部勝二 (西春日井郡豊山町)、志知勝 (春日井市)、田仲恵美 (知多郡武豊町)、加藤ゆかり (高浜市)、木下よし江 (滋賀県近江八幡市) 関連情報 ● 平田五郎展『佐久島空家計画3/大葉邸 ⇒ ● 『佐久島空家計画/大葉邸』・今後の室内見学について ⇒ ● 『佐久島空家計画3/大葉邸』・墨すりサポーター募集 ⇒ ● 『佐久島空家計画3/大葉邸』制作リポート1 ⇒ ● 『佐久島空家計画3/大葉邸』制作リポート2 ⇒ ● 平田五郎ワークショップ 『もようのある石こうの板をつくろう 』 写真リポート ⇒ ● 2002年度 佐久島空家計画2・制作記録 ⇒ ● 2002年度 『佐久島空家計画2/大葉邸』・写真レポート ⇒ ● 2001年度 『佐久島空家計画1/大葉邸』・制作記録 ⇒ ● 2001年度 『佐久島空家計画1/大葉邸』・写真レポート ⇒ |
平田五郎展
佐久島空家計画3/大葉邸 2004年2月28日〜3月31日 会場:大葉邸/弁天ギャラリー アーティスト・イン・レジデンス 総日数:17日 制作ボランティア:のべ 106名 墨すりサポーター:8名 ● 3年目の挑戦 アーティスト平田五郎によって、2002年から毎年制作が続けられている『佐久島空屋計画/大葉邸』も、今年で3年目になります。1年目は荒れ果てた庭に石が敷きつめられ、『緑の庭』と名付けられました。2年目には、家屋の一室の天井、壁、床が白の磨き漆喰によっておおわれ、光あふれる空間につくりかえられています。そして3年目の今年、大葉邸はあらたな進化の道をたどることになりました。 これまでの2回にわたる作品化では、庭や部屋というひとつの空間を作品化する試みがなされています。訪れた人が空間そのものを体験することが、いわゆる「作品を見る」ということでした。しかし、今年はあらたな"発見"が大葉邸に用意されています。 その要となるのが、大葉邸の玄関土間にむかしながらの形状を残す"くど"(日本古来のかまどの意で、鍋や釜をかけて下の火で煮炊きする場所) の作品化。煉瓦づくりで、崩れかけた4つの煮炊き口のうちの3つを補修し、内側を、白磨き漆喰、黒磨き漆喰、金箔でおおい、その中にガラスでつくった "作品" がおさめられています。 ●「ひとつの物語」としての大葉邸 作品化にあたって、制作者である平田五郎は「僕は大葉邸という一軒の建物を使って "ひとつの物語" をつくろうと思いました」と語ります。そして、あらたに語り継がれる物語の要が、この "くど" 部分の作品です。 "くど" と同時に、屋内のふたつめの部屋の出窓も作品化されていて、このふたつの場所について平田は「"くど" や出窓を覗きこむことで、別の世界を見つけるような、そんな感覚を味わってほしい」と話し、大葉邸という大きな物語の中の、ひとつのエピソードとしての役割を示唆しています。 "アートということば" で語られるこの物語は、言語によって語られる物語以上に、読み手にさまざまな解釈を生み出すために、ともすれば難解ともとらえられがちですが、大葉邸の物語は、私たち日本人にとって馴染みのある伝統的な建築様式や工法を借りて描かれているため、静かにその場に身を置くことで、語り部のことばが耳に届くのではないでしょうか? 今回、"くど"や出窓とは別に、これまで手付かずだった3つの部屋の床が板張りにされ、墨によって塗装されました。薄暗い部屋をさらに暗くする墨の効果は、最後にたどりつく白い磨き漆喰の部屋にあふれる光の印象を、強くひきたたせることになります。この物語に、宗教的なイメージを重ねる人、また、母親の胎内から生まれる過程の原初的な体験を思い浮かべる人もいるかもしれません。 ● これから 2004年の9月から1年間、平田五郎はアラスカで作品制作することが決まりました(五島記念文化賞 美術新人賞受賞による)。平田五郎によって3年間続けられた大葉邸の作品化ですが、来年度以降の計画は、未定です。けれど、これからも大葉邸には、さまざまに人の手が加えられてゆくでしょう。長い年月を経た建物ならではの補修作業もそのひとつです。植物に水をやるように、作品も、手をかけ、見守ることで土地や人の心に根付いていくからです。 大葉邸の物語はまだ終わっていません。 (鑑賞の手引きより/ 文責:オフィス・マッチング・モウル 内藤美和) 平田五郎展 鑑賞の手引き 大葉邸にて、過去2回の展覧会分とともに常時お持ち帰りいただけます。 |
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■TO HOME ■主催: 幡豆郡一色町 ■共催: 一色町大字佐久島・島を美しくつくる会 ■企画・制作: 有限会社オフィス・マッチング・モウル |
大葉邸の見学者に作品解説する平田五郎(撮影:石山和広) |
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