三河・佐久島アートプラン21 佐久島体験2008 祭りとアートに出会う島 学生チャレンジ企画
『すわるとこプロジェクト』 写真リポート
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■ 大浦海水浴場 ■ フラワーロード (通称 : 佐久島のバス停) ■ キャンプセンター跡地 ■ 高千谷 (通称 : ラブチェアー) 制作リポート 1ヘ 【関連情報】 ● 『すわるとこプロジェクト』 開催のお知らせ ● 『すわるとこプロジェクト』 制作リポー1 ● 『すわるとこプロジェクト』 制作リポート2 【同時期開催】 ● 佐久島アート・ピクニック 2008 |
■ 制作日数/15日間
4月20日〜24日、 4月27日〜 5月4日、21日、22日 ■ 作業場所 : 島内四ヶ所 大浦海水浴場、フラワーロード キャンプセンター跡地、高千谷 ■ のべ参加者数 : 125名 ■ 企画・制作 : 名城大学理工学部建築学科 三浦研究室有志 ● 佐久島で学生たちができること 『三河・佐久島アートプラン21』では、初年度の2001年から、毎年多数の大学生がボランティアとしてアーティストの制作や島のイベントにボランティアとして参加している。プロのアーティストとの協働は、学生たちのほとんどが芸術系大学の学生であることもあり、刺激的な体験だろう。また、地域の人たちとの交流は、社会とアートの関わりを重視する今のアート・プロジェクトの流れの中で、これもまた大学では学ぶことのできない貴重な経験だ。 けれども、プロジェクトがスタートして3年目にあたる2003年、アーティストや島民のサポートという枠を超え、学生自らが企画・制作した『月の茶会』を皮切りに、渡船場の改装、佐久島観光ガイド計画、サイン計画など、ソフトとハードを取り交ぜたさまざまな学生たちによる企画が実施され、佐久島を訪れる人たちの利便性に貢献してきた。 ● 建築学科の学生たちへの宿題 「なんちゃってアート」はいらない 現在は「学生チャレンジ企画」という呼び名を持つこのプロジェクトの最新企画が、今回の名城大学理工学部建築学科三浦研究室有志諸君による『すわるとこプロジェクト』である。 2007年度の平田五郎による『佐久島空家計画5/大庭邸』のアーティスト・イン・レジデンスにボランティアとして参加してくれた彼らのガッツを目の当たりにした時、彼らに佐久島での挑戦の場を提供したいと強く思った。 プロジェクトが実行される半年ほど前から彼らに声をかけ、2008年の早い段階で候補地やざっくりとしたプランが出てきた。しかし、学生の出したプランがそのまますんなり通るほど、本プロジェクトは甘くないのだ。学生たちが候補地として出してきた場所には「なぜ、この場所なのか? この場所に設置する意味は?」と繰り返し問いかけた。 デザインに関しても同様だった。「なんちゃってアートはいらない。(アート)のようなもの、は必要ない」。アートからでは出てこない建築の視点の発想がほしいのである。彼らは建築家ではなくまだ学生なのだが、以前も建築科の学生によって行われたサイン計画や今回のベンチプロジェクトは明らかに建築的の発想とスキル必要とする。 小さいけれどもこれはひとつの公共事業だ。住民や観光客が実際に使用するものだ。使いやすさはもとより、強度も重要だし、場の意味、そこでの過ごし方への提案など、脳みそを使うことはいっぱい。その上施工も自分たちでやらなければならないので、基礎工事のノウハウも学ばないといけない。どんな材料が必要なのか? どんな材料が最適なのか? 数々の問題を体当たりでクリアしながら、『すわるとこプロジェクト』によって4つの魅力的なベンチが完成した。 ■ 大浦海水浴場 木村崇人作品 『カモメの駐車場』 を見渡す広場に、このベンチは設置された。海側4段、陸側3段の階段状のこのベンチは、腰かけたり寝転んだり、また段を登れば風景への視点も変化して、さまざまな過ごし方ができる。 アート巡りの人たちが海風に吹かれて一服したり、夏場には海水浴の観光客たちも水着でのんびり過ごすかもしれない。もしそこに座っていたら、まるで自分が作品の一部になったような気持ちになるだろう。 ■ フラワーロード 『佐久島のバス停』という呼び名が自然に付いたこのベンチは、佐久島の東西を結ぶ通称一号線(フラワーロード)のちょうど真ん中あたりにある。島民にとっては生活道路だし、観光客もこの道を通って島を行き来する。東西2キロほどの、途中、木陰もないアスファルト道路沿いにぽつんと建てられたこのベンチは、絶好の休憩所となるだろう。 佐久島にはバスは走ってないのだけれど、昔のバス停みたいなシンプルなデザインは、思わず座ってバス待ちをしているイマジネーションをかきたてる。目の前にあれば座ってみたくなり、座っている人を見かけると思わず笑顔になってしまうようなベンチ。そこで記念写真の一枚も撮りたくなるような特別の場所ができた。 ■ キャンプセンター跡地 4つのベンチの中でもっとも規模が大きく、もっとも複雑な構造のベンチがここだ。ふたつの島がさまざまな大きさと高低差で組み立てられていて、その複雑な構造から、見る角度によってまったく新しい顔を見せてくれる。寝転んだり、お弁当を広げたり、立ち上がれば海を見ることもできるこのベンチは、海水浴場のベンチよりさらにたくさんの楽しみ方を見出すことができるはずだ。そこには制作者の思惑を超えた可能性が満ち溢れている。 このベンチの下の空き地には、今年島の活性化有志によって花畑が作られる予定だ。秋になれば、そこには海を渡ってアサギマダラという蝶が飛んでくるはずである。青木野枝の常設展示作品にも近く、ハイキングロードの入口にもあたるこの場所が、佐久島の新たな交通の要所(!?)になる日は遠くない。そしてその起点がこのベンチになるのだ。 ■ 高千谷 穴場観光地佐久島のさらに穴場のスポット高千谷にこのベンチはある。とても静かで眺めがいい。真ん中にふたりで並んですわると、座面が斜めになっているからついお互いに寄り添ってしまうというこのベンチの通称はそのまんま「ラブチェアー」。 ちょっとユーモラスで、いい味を出している。あえてデートの場所に佐久島を選ぶような粋な恋人たちにはぴったりのベンチではないだろうか? こんな遊び心も『すわるとこプロジェクト』の魅力のひとつだ。ラブな人たち、もちろん仲良しの友達同士、親子にもここで過ごしてもらいたい。楽しい会話が生まれそうな予感がする。 (文責:オフィス・マッチング・モウル 内藤美和) ※ すわるとこプロジェクトの4つのベンチは、常設設置となります。ずっとかわいがってください。 『すわるとこ』への行き方は? 【佐久島アートピクニックMAP】 4/19〜2009.3.31まで東西渡船場と弁天サロンで無料配布している「佐久島アートピクニック2008 MAP」に設置場所が記載してあります。「佐久島体験マップ」も併せてお持ちいただくとよりわかりやすいと思います。 |
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■ 2008年度 全記録 ■ TO HOME ■主催: 幡豆郡一色町 ■共催: 一色町大字佐久島・島を美しくつくる会 ■企画・制作: 有限会社オフィス・マッチング・モウル |
さっそく子どもの遊び場になりました |
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