三河・佐久島アートプラン21
佐久島体験2019 祭りとアートに出会う島
荒木由香里『昼間の星』
Yukari Araki / Daytime Stars
写真リポート3 西地区 [作品 2/2]
ガス灯の一等星
くるくる衛星
元気ハツラツ招き猫
かぐやのお皿
銀河のリズム
撮影:尾崎芳弘[DARUMA]
写真リポート2ヘ 写真リポート4ヘ
関連情報
荒木由香里『昼間の星』 開催のお知らせ
『昼間の星』 写真リポート1 [アーティスト・トーク、餅投げ&交流会]
『昼間の星』 写真リポート2[作品 1/2]
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『知識の蜂の巣』ギャラリー展示 写真リポート5
同時開催
佐久島アートピクニック 2019
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荒木由香里『昼間の星』
会期:2019年7月20日(土)
〜10月31日(木)
野外展示につき無休
会場:佐久島 島内9ヶ所
展覧会終了後「銀河のリズム」以外は常設展示となりました。
下記のこの色の文字は、それぞれの作品の設置場所のヒントです。このページで紹介した作品は東地区にあります。
ガス灯の一等星
この作品は、
西地区の迷路のように入り組んだ黒壁集落内にあります。
まるでレイアウトしたように、古い計器などの道具が飾られている青い壁の作業小屋に、かつて島で実際に使われていたガス灯が、現在と同じように吊るされていました。そのガラス部分に作品が収められました。
くるくる衛星
こちらの作品も西地区黒壁集落内にありますが、小さいこと、軒の上に乗っていることから、一番見つけにくい作品でしょう。
「つるや」というお店の傍にある弘法大師の祠から西に入る路地の先
にあります。探してみましょう。
元気ハツラツ招き猫
「元気ハツラツ」をキャッチコピーにした栄養ドリンクが作品の中に組み込まれていることからこのタイトルがついています。作品の展示場所を探しながら、作家が集落の中を歩き回っていた時、近所のおばあちゃんから差し入れにいただいたものです。展覧会会期中は、黒壁集落内の「つるや」の入り口に置かれていました。耳や尻尾など、作家的には猫なのです。展覧会終了後は
弁天サロン内のどこか
に置かれ、変わらず人を招いています。
かぐやのお皿
「かぐやのお皿」は、
西集落の南のはずれにある小さな神社の境内
に置かれています。作家が最初にその場所を訪れた時、そこには錆びた蚊取り線香缶の蓋が賽銭入れ代わりに置かれていました。現在は「かぐやのお皿」がそれに代わっています。なぜ、「かぐや」なのでしょうか? お皿自体が青白い月を想起させるからかもしれませんが、神社に至る小道が竹藪だからかもしれません。
銀河のリズム
この作品は、
展覧会会期中は弁天サロンの中庭に面したガラス戸4枚に展示
されていました。柔らかく光を通し、うっすらと外の景色が見える白い布地の上に、作家が拾い集めたかけらが夜空の星のようにちりばめられています。ところどころに引かれた線は星が流れているようで、まさに「リズム」を感じさせます。
弁天サロンはさまざまな目的で使用される公共施設のため、残念ながらこの作品をここに常設展示することはできませんが、今後、折に触れ、期間限定で「銀河のリズム」がここに展示されることになるでしょう。
昼間に星を見上げて
佐久島では、荒木由香里『星を想う場所』も含む24点の作品巡りコース
佐久島アート・ピクニック
や、100年の伝統があり、現代建築の祠も点在する八十八か所の
佐久島弘法巡り
が既にあります。どちらもスタンプラリー形式を取っていますが、どうしてもスタンプを集めることが目的になってしまいがちです。ロールプレイングゲームのように、ひとつひとつクリアして次に進む、進んだ証に何かを手に入れる(この場合はスタンプ)というのは楽しいものですよね。
ただ、もう既にふたつ、同様のコースがあるので、次は「目印もなく、スタンプもない」そんなコースを作りたいと考えました。「せっかく来たのに見つからなかった」と不満足な気持ちになる方もいらっしゃるでしょう。ただ、そこはあえて「見つけられないかもしれない」を提示しているとお考え下さい。出し惜しみではないのです。見つけようと探す、そして(たまたま)見つかる――、その時に発動する「見る行為」はそうでない時とまた違ってくるのではないでしょうか? 作品鑑賞を「消費」にしない。せめてこののんびりした島では。そんな思いが伝われば何よりです。
「昼間の星」を見ることは、見えないものを見ようとする行為なのだから。
(文責:オフィスマッチングモウル 内藤美和)