三河・佐久島アートプラン21
佐久島体験2019 祭りとアートに出会う島
荒木由香里『昼間の星』
Yukari Araki / Daytime Stars
写真リポート2 東地区 [作品 1/2]
星屑のテーブルクロス
タイノウラ星団
いっこく屋
金の斧
撮影:尾崎芳弘[DARUMA]
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関連情報
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荒木由香里『昼間の星』
会期:2019年7月20日(土)
〜10月31日(木)
野外展示につき無休
会場:佐久島 島内9ヶ所
展覧会終了後は常設展示となりました。
荒木由香里は、佐久島では2008年に初個展
『海ヨリキタリテ』
、2010年に 『星を想う椅子』、2017年に
『星を想う場所』
の3回の展示を行っています。『星を想う場所』が完成した時、ふと、「次の展覧会は、この星を想う場所から欠片が飛び散ったように、島中に作品をちりばめてそれを辿る展覧会にしたらどうだろう?」と提案しました。それが本展『昼間の星』へと繋がっていきます。
下記のこの色の文字は、それぞれの作品の設置場所のヒントです。このページで紹介した作品は東地区にあります。
星屑のテーブルクロス
小品が多い本展の中では、後述の『いっこく屋』とならんでスケールの大きい作品がこの「星屑のテーブルクロス」です。40年近く前に島内各所に擬木のテーブルやベンチ、東屋が設置されました。これもそのひとつですが、長い年月整備されず、利用する人もほどんどいないまま草むらに埋もれていました。今回、それを海の見やすい場所に少し移動し、ベンチの並びを変え、テーブルとベンチをデザインし直し、作家が島の浜辺で拾い集めたシーグラスを埋め込みました。表面の材質は、セメントとガラス(一部タイル)ですが、柔らかい布のようです。
富士山(ふじやま)を越えてたどり着いた先
にポツンと置かれた真っ白なテーブルとベンチ、そこから眺める海景色、そのすべてが作品です。
タイノウラ星団
この作品は
イーストハウスの近く
にあります。「星団」と名の付くように、いくつもの欠片(佐久島で拾われたものがほとんど)がひとつの塊になっています。それがいくつか、周りにも飛び散っているので見つけてください。
いっこく屋
東地区の集落内にこの作品はあります。「いっこく屋」というのは作品のあるこの場所にかつてあったお店の名前です。
正確には、ここはいっこく屋の倉庫でした(お店は路地を隔てた目の前)。作家は、倉庫に詰め込まれていたデッドストックの商品を運び出し、倉庫の大掃除をし、入り口のガラス戸の桟に空色のペンキを塗って、作品の舞台を整えていきました。
スケールは異なりますが、小さな欠片が集まってひとつの世界をかたちづくるという、荒木作品の基本は変わりません。たくさんの欠片を厳選し、配置し、並べ替えることで、荒木由香里だけの世界が現れます。長い間眠りについていた生活道具たちが、作家の手を経て、作品として蘇りました。荒木由香里の『いっこく屋』は、紛れもなく作品ではあるけれど、かつてそこに人々の往来があった「お店」の気配を濃厚に残し、また島民にも懐かしいその店の名を作品に冠することで、博物展示のような印象も与えています。
金の斧
カモメの駐車場のすぐ近く、海を渡る遊歩道のどこか
に「金の斧」はあります。「タイノウラ星団」と似ていますが、よく気を付けていないと見逃してしまうような、ひっそりと隠された場所です。イソップ寓話「ヘルメースときこり」とは違い、銀の斧や鉄の斧はありません。安心して金の斧を見つけてください。
(文責:オフィスマッチングモウル 内藤美和)